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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第138話 あの空の向こうへ
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茅場、晶彦……?」

 ドラゴはそう答えていた。そう答えたと同時に、完全に白は消え去り……、アルンへと戻っていた。


『この世界ではもう1人、君以外にもこの世界では見ていたい者がいる。……あの世界で君と共に私を打ち負かした彼を。では、また会おう。……リュウキ君』

 肯定はしないが、否定もせず、その声はもう聞こえなくなっていった。
                                                                                                                                                                            



 そして、メニューウインドウが突然開かれた。

「……なに?」

 困惑している最中、突如開いたメニューウインドウがドラゴを元の状態に戻した。ウインドウには、魔法スキルが示されていた。それは、《スキルを習得した》と言うものだった。

「何故今になって……?」

 スキルを解放されたのは、どうしてもスキルが上がらず、一体何のスキルなのか判らなかったもの。

《神威》と《覚醒》

 その魔法スキルが完全習得されていたのだ。

「……これも無茶な力だな。いや……そうでもないか、リスクを考えたら。……リスクは極大、が発動出来れば、反則。……大パーティプレイをしてたら、反則だな。絶対」

 魔法の詳細を見てそう思わずつぶやいてしまうドラゴ。自身の魔法の力は圧倒的なものが多いが、それに比例して困難もある。判ると思うが、魔法を発動させる為に必要な詠唱が圧倒的に多いのだ。暗記系が得意でなければ、それより、常人では早々に諦めるであろう程の者。元々ドラゴだからこそ、使えたと言っても良い代物だ。

 だが、前衛を完全に任せ、後衛として詠唱に集中していれば、難易度は遥かに下がるだろう。詠唱文を見ながら使える訳ではないから、覚えるのが大変なのは変わらないが。

「……キリト達の所へ向かおう。」

 ドラゴは、メニューウインドウを閉じた。そして、この町からなら、何処にいても見えるあの巨大な樹木を見定める。

「あの上に……あるんだ」

 ドラゴは、翅を再び出し……そしてアルンの町の上空まで飛んだ。

『……リュウキ君。……隼人君、助けて……。……たすけてっ』

 いつから……だろうか。
 もう、頭の中に流れるあの声は、自分に助けを求めている内容しか、聞き取れなくなっていた。何故だかは判らない。……そして、胸騒ぎもする。

――……もう、あまり時間が残されていない。

 そんな嫌な予感も、今になって頭の中にながれていた。
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