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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第138話 あの空の向こうへ
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。ただ、待たせている人がいるなら」

 思い浮かべるのは、あの声。

 優しい声。
 愛おしい声。

 頭の中ではずっと、自分を見守ってくれている。あの光景の中では、自分のことを心配してくれている。……涙を流している。

「これ以上待たせたくない。……待たせたくない」

 隼人はぎゅっと拳を握り締めた。キリトが言う合って欲しい人。その人が、あの人ならば……直ぐにでも会いたい。でも、もし……キリトやユイの様に曖昧なことしか思い出せなかったら?と思うと非常に怖い。目の前にして……、判らず、そして泣かせてしまう、悲しませてしまうのが怖かった。

 この隼人の想いは功を成すことになる。

 キリトが言っていた合って欲しい人の今の現状。今は……会えなくなってしまっているのだから。


                                                               


〜アルンの町〜


 そして、更に暫くしてあの町へ戻っていった。宿屋には当然だが、キリトやリーファ、ユイの姿はない。この町にいるのは間違いなかった。

「……さて、光点はこの辺り、だったな。」

 ドラゴはマップを呼び出し、場所を再確認した。もう、光の方は無くなっているが、位置は目に焼き付けている。

 ドラゴは、宿屋を飛び出し美しい荘重な積層都市の空に飛び立った。夜景も素晴らしかったが、太陽の光に照らされた石造りの建築物も十分魅力的だった。こんな状態じゃなければ、観光として町を回るのもよかったかもしれない。……あの人と一緒に。

 ドラゴは、頭を左右に振ると、背中の翅を鋭角に折り……速度を上げた。低空飛行をしている為、プレイヤーに注意を払いながら目的地へと急ぐ。

 そこは、町中ではあるが、緑のある場所。住宅地の中にある大きめの公園……という印象だろう。回りには特に大きなNPCショップ等はなく、恐らくプレイヤーハウスが立ち並んでいる。立札に、その家の値札が掲げられている所から見ても間違いないだろう。

 流石に、世界の中心であるアルン。この世界での高級ハウスというのははっきりとは判らないが、サクヤの発言を思い返す。彼女達に渡した金額で、一等地にちょっとした城が建つらしい。だが、その金額よりは劣るが、それなりの桁数、0が並んでいる。

「ふむ……。あまり他のプレイヤーがいないのは僥倖、だったな」

 ドラゴは、翅をしまいライディングする。目的地へと到着した所で、再び指を振り 場所を確認した。
周囲は木々に囲まれている。丁度公園の真ん中だった。

「……これ、か」

 光点が指し示した物。直ぐにそれが何か理解した。それは、この場所……荘重な積層都市の中にある自然の中にはそ
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