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リリなのinボクらの太陽サーガ
開戦
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「っ!? ッ!!」

そう考えた瞬間、急にどこかへ落ちていくみたいに鳥肌が立つほどの恐怖を感じた。飛行中だから元から足が地面に着いていないけど、そういう事じゃない。精神世界で私が立ってる場所から、誰かに足を引っ張られて真っ暗な奈落に落ちていく。手を伸ばしているのに、誰も掴んでくれない。周りには親しいと思っていた人達がたくさんいるのに、落ちていく私を見向きもしない。
そして……落ちていく私の足を引っ張り、奈落へ落とそうとする手を伸ばしているのは……過去の私だった。私は私自身の手で、自分を闇に落としていたのだ。視線を戻せば、さっきまで私が立っていたはずの場所に、いつの間にか新しい私が立っていて……。そこは私の居場所だ、あなたの物じゃない、そういう暗くて妬ましい感情に支配された私は、新しい私を引きずり落とそうと手を伸ばし、足を掴んだ。新しい私もまた、私の時と同じように落ちていき……これまでの事が何度も何度も無限に繰り返される。そんな怖いイメージが脳裏に浮かんだ。
だけどここで、ふと変化が生じた。どうしてこうなってしまったのか……原因はいったいどこから来ているのか。それを見ようとした時、私は全ての私の始まりを見つけた。

……そっか……私、やっと気付いた。私が居場所を失いたくないと思った気持ち、それすらもまだ私の芯では無かった。あと一歩足りなかった本当の私の心、その根底にあったもの。それは……、

『ひとりぼっちはいやだ』

昔、公園のブランコを一人で漕いでいた時に呟いた言葉。それは私の心が吐き出した想いそのものだったんだ。それを認識した瞬間、仮面を取り外せるようになった私は、まるで生まれ変わったかのような清々しい気持ちを抱いた。そして……決める。
昔の私みたいにならないように、二度と皆を一人にはしない。そのために私は戦い、救うんだって。そう決めた! だから……行こう!

「急ごう、はやてちゃんが待ってる!」

私が“私”を理解した途端、頭の中がスッキリして、魔力の運用効率や飛行魔法の速度、とにかくあらゆる感覚が冴えわたる。その効果かわからないけど、私の中にあった狂気が不意に大人しくなり、制御下に置けた気がした。

「あれ? あの子、なんか覚醒した? フェイトのような高速型魔導師じゃないのに、私らが追い付けない程の速度を出してるんだけど……」

「……彼女が自分自身の根源を見出した事で、暗黒物質を経由しても精神の浸食を受けずにエナジーを引き出せるようになったようね」

「ん? つまり、どゆこと?」

「……簡単に言えば、彼女が暗黒物質を使っても狂気に呑まれる心配は無くなったってこと。速度が上がったのは、無意識にエナジーを使って飛行魔法を強化しているからだと思うわ」

「なぁんだ、それなら良かったじゃない。イモ
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