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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第137話 眠れる少女達
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を奪った男」
その言葉を聴いて綺堂は、間違いないと確信した。隼人が言っているあの男……、と言うのが誰なのかと言う事を。
〜埼玉県所沢市総合病院〜
路線バスを使い、和人と直葉は病院前にまで到着した。普段は、筋トレも兼ねて自転車で通っているが、今日は直葉も一緒だと言う事もあり、お休みにした。
直葉は、目の前にある巨大な病院を見上げた。その圧倒的な大きさの病院に目を丸くさせる。
「うわぁ……、ほんっとに大きい病院だねぇ」
「中も凄いんだぞ?ホテル並みだ。門から先も結構長いし、圧倒されたよ。オレも。」
そう言うと和人は、守衛に手を上げながらゲートを通過した。和人が言うとおり、徒歩だと本当に病院入口までが長い並木道。直葉は、健康の申し子であると言っていいほどの健康体だから、病院とは無縁だ。だからこそ、圧倒されたのだ。
和人の言うホテル並みという言葉が嘘ではない……と言うのを理解しつつ、病院内のエレベータへ。そして、その最上フロアにまで昇る。ここから先は、限られた患者しかいない様で、人気はあっという間に無くなった。最上フロアの最奥。
「ここ……?」
「ああ」
和人は頷いて、ドアを開けた。直葉は、その扉の隣の金属プレートを見つめ、直葉は呟いた。
「結城……明日奈さん……。キャラネームが本名、だったんだね。……あんまりいないよね。そういう人」
「へぇ、詳しいな。まあ確かにオレの知る限りアスナとその妹、レイナだけだったな。そのまま名前なのは」
「姉妹で本名……ほんとに仲が良さそうなんだね?」
「仲が良いだけじゃないぞ? ……そっくりなんだ。まるで双子なんじゃないか?って思うくらい、な」
「へぇ……」
話をしながら、扉を潜る。……濃密な花の香りが内部から流れ出す。ここから先にいるのは、眠り姫。眠っているだけ。……いつかは必ず目を覚ます……。
和人はそう思いながら、歩を進める。直葉は、和人にピッタリとくっつくようにして歩く。直葉の身体からも緊張が伝わって来るようだ。純白のカーテンに手をかけ、いつもの様に和人は短く祈った。
――……この先にいる彼女が目を覚ましますように。と。
その病室で、いつもいる筈の玲奈の姿は無かった。和人はその事に引っかかりがあったが、一先ず明日奈の前に立った。
「……紹介するよ。彼女がアスナ。……《血盟騎士団》副団長、《双・閃光》のアスナだ。剣の速度と正確さではオレも最後まで敵わなかったな……」
言葉を僅かながらきると、少女に視線を落として続けた。
「アスナ、オレの妹の直葉だよ」
直葉は、少し進み出ると、恐る恐る声をかけた。
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