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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第137話 眠れる少女達
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しましたよ。坊ちゃんが苦しむ事……それだけが心配でした。……ですが」
心配をしていた、と言うのは当然だ。
記憶の欠如からくるものだろうか……?時折襲ってくる頭痛の症状は、過去の記憶から来ているのだということは間違いないだろう。そして、思い出さなければならない、でも 思い出せない。そのもどかしさもあっただろう。でも綺堂は、ニコリと笑った。
「戻ってきた坊ちゃんの顔を見て、私は安心しました。……大切なものが見つかりそうなんですね?隼人坊ちゃん」
隼人の顔を見て、昨晩、あの世界から帰ってきた後の彼の顔を見て、安心したのだ。
隼人と綺堂の付き合いは、本当に長い。
あの施設から始まり、例の事件を経て、そしてその能力を最大限に活かしIT関係の仕事を中心に、独自に築き上げてきたネットワークを駆使し仲介役になって仕事をしてきた。初めこそは、隼人の事を養う……と思っていたが、軌道に乗ってみればあっという間に、養父からパートナー。
自分が隼人のパートナーの様な関係になっていた。
だからこそ、判るのだ。隼人の顔を見れば……。彼の事なら直ぐに。
「あ、ははは。うん、まだ……朧げだけどね?」
「ゆっくり……ゆっくりで良いんですよ。坊ちゃん。無理せずにゆっくり……。あの世界で坊ちゃんは頑張っていたのですから。……精神を粉にして。まだ、休息が足りないくらいなんですよ?」
「あーっ、はい。注意しますっ」
「ほほほ。はい。よろしいですよ」
テラスから、陽気な笑い声が聞こえてくる。そして、その声につられる様に……、太陽の光が更に暖かく、周囲を照らしてくれていた。
そして、それから数分後。
モーニングタイムも終了し、今日の業務へと入っていく。企業から依頼されているモノが殆どであり、稀に自作もしたりもある。今日は、プログラムに関する文章、ユーザマニュアルの作成に取り組んでいた。が、午後までだ。午後から……つまり午後3時まで。それを過ぎたら、メンテナンスが終了し、再びあの世界へと入る事が出来るのだ。
あの世界の中心であり、頂点。
世界樹へと行くために。
「……世界樹もそうだけど、他にも気になる事がある。」
隼人は、PC操作しながら呟く。アルンに入ってからの事だった。
また、マップ上に赤い光点が光ったのだ。……が、以前の様にずっと光っている訳ではなく、直ぐに掻き消える様に消滅してしまっていた。……が、その位置情報は頭の中に叩き込んでいる。あの町の南西部。そして、以前の様なモノがその場所にあるのだとしたら……。
「……あまり、他の者に見せたい物じゃない」
軽く拳を握り……そう呟いた。それが、例えキリトやユイであったとしてもだ。
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