暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第137話 眠れる少女達
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日を……、これからの一日も頑張ると決めたのだった。










〜竜崎家〜



 時同じくして意識を覚醒させた隼人。ゆっくりと身体を起こし、そして備え付けてあるリモコンを指先でクリック。すると、忽ち部屋に灯りが付き、冬の朝の薄暗さを一気に吹き飛ばした。連動して、エアコンも作動し、適温調整に入る。

「ん……。朝、8時……か」

 まだ、覚醒した、と言っても霞がかかった頭の中だ。ひょい、と身体を起こし、部屋のカーテンを勢いよく開く。薄暗い、と言っても太陽は出ているから、カーテンを開いたその瞬間、太陽光が身体に降り注ぐ。

「……良い、天気だね」

 そう呟くと、ガラガラ……と音を立てながら窓を開き、テラスへと足を踏み入れた。肌寒い気温は眠気覚ましにはもって来いだろう。ぴりぴりとする肌寒さを覚えながら、背筋を伸ばす。
すると、視界の端に人影を捉えた。

「おはようございます。坊ちゃん」

 爺やがテラスで珈琲を飲んでいたのだ。かちゃりと音を鳴らしながら、カップを起き、軽く頭を下げる。

「うん、おはよう、爺や」

 隼人も同じように挨拶を交わし、そして 彼の隣の席に腰掛けた。カップと共に備え付けられている、サンドイッチをひょいと1つつまみ上げると、口の中へと放り込んだ。レタスのしゃきしゃきとした歯応えと、ハムのぐにゅっとした歯応え。そして、味を盛大に楽しみながら、ゴクリと喉を鳴らしながら、胃の中へと移送する。その姿を見て、綺堂は微笑む。

「足りますかな?」
「うん。大丈夫。美味しいよ」
「それは良かった」

 その姿を笑顔で見つめる綺堂。

 隼人が養子となり、一体どれだけの期間が過ぎただろうか……。あの大変だった時期が、昨日のことの様に直ぐに思い出せる。記憶を欠如し、まだ苦しみが残っている隼人だが、今回も必ず乗り越えられると、強く綺堂は思っていた。

 まだまだ成人にも成っていない子供だ。……だが、彼の心の強さはよく知っているから。

「……爺や」
「なんですかな?」

 隼人は、暫くカップの中の珈琲を飲んでいた。だが、次第に表情が硬く、強ばっていた。その表情には、綺堂も勿論気づいていた。そして、何を言うのか判っていた様だ。
 その綺堂の表情は対照的に穏やかだった。

「ゴメン……。爺やは、オレがあの世界に行っていた。だから、僕があのゲームをするって言った時……」
「………」

 隼人の言葉を黙って聞いていた綺堂だったが、ゆっくりと頷いた。

「……あの坊ちゃんがALOを。あの世界へと向かった昨晩。あの機械の位置が変わってたのに、私は気づきましたよ。あの機械……ナーヴギアの」

 綺堂は、珈琲を口に含み、飲みこむ。

「確かに、心配
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