暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第136話 君の名を呼ぶ
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
そして、そう礼を言っていた。

「……そうだ。リュウキ。悪い、これだけは言わせてくれ」

 キリトは、神妙な顔つきになり、リュウキに語りかけた。

「……ん?」
「リュウキにどうしても会ってもらいたい人がいるんだ。……お前の身体の事を考えたら……無理にとはどうしても、言えない。……だけど、その人が、お前の探している最後の欠片なんだ。……何時でも良い。……会ってくれ、……頼む」

 キリトが必死に懇願をした。
 恐らく、それ程キリトにとって大切な人なんだろう。或いはリュウキ自身にとってもそうなのだろうか。恐らくは、両方だろうとリュウキは悟った。

 ……本当にそれで、全てが埋まる欠片なのだろうか?

 それは判らない。でも、リュウキはしっかりと頷いた。

「……ああ、約束するよ」

 リュウキは 笑顔で、頷いていた。







 そうして、リーファが戻ってくるまでの間。
 そこまで時間は掛かっていないのにも関わらず、とても濃密な時だった、と皆が感じていた。ユイに関しては、早く元のナビゲート・ピクシーの姿に戻るように言い、リーファが戻ってくる前に以前の姿に戻れた。

「はぁ……、終わった? 皆」
「ん、大丈夫だよ。ありがとう、リーファ」
「ふぇ?? べ、別にあたしはそんな大した事してないよ??」
「……オレも言わせてくれ。……ありがとう、リーファ」
「ちょちょ、ど、ドラゴまで?? 一体何がどーしたって言うの??」

 戻ってきたばかりのリーファには知る由も無いから、困惑するしか出来なかった。

 そして、この後一行は 広大な地下世界《ヨツンヘイム》へと迷い込むことになるのだった。

 その世界は、氷と闇に閉ざされた世界……の筈だったが、キリトもユイも、そして、リュウキも何処か暖かかった。当然ながら、リーファは更に困惑するのだった。









〜央都アルン〜


 場面は、アルンについた時系列に戻る。ログアウトを宿屋でしようとした一行は、とりあえずそこを目指していた。

「あ、そう言えばさ? 金銭的には大丈夫なの? お2人さんは?」

 リーファは、あの時の事を思い出しながらそう聞いていた。この2人は、かなりの大金をサクヤとアリシャ、シルフとケットシー達に渡したのだ。あれだけの金額をホイホイと出せる筈もないだろう、思ったリーファは、今の金銭状況、言わなくても判っていた。

「……完全な金欠だな。素寒貧だ」
「同じく」

 2人ともが手を挙げてそう言っていた。それを見て、聞いたリーファは、呆れたように声をあげる。

「……はぁ、イイカッコしてサクヤ達に全財産渡したりするからよ?宿代くらいとっときなさいって」

 そう言われても
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ