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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第136話 君の名を呼ぶ
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もの鍵をかけていたドラゴ。その堅牢な扉の複数の鍵は、……音を立てながら開錠されていったのだ。
――……鍵の1つ彼等の名前、《キリト》《ユイ》
――……頭の中に、何度も何度も響いてくる《彼女の声》
それらが、これまでは仲間を作るまい、決して心を許さないとさえ思っていた。行動を共にしたとしても、それは少ない時間だけだ、と決めていた。
その閉ざした扉の鍵を、簡単に開けていったんだ。だからこそ、フレンド登録も……あんなに早く出来る様になり、リタ達ともいつもよりも早くに打ち解ける事が出来たんだ。
「……ドラゴ、いや……」
キリトは、目を閉じた。ユイも同じ様に……、目を閉じた。
そして、2人はまるで鏡写しの様に、殆ど同時に目を開いて、あの名を口にした。
『リュウキ』
まるで黄昏時かの様に、このALOの世界の空が……、……そしてこの場が、一瞬光り輝いた気がした。
「…………」
その名前を聞いて、ドラゴ……リュウキの口元は僅かだが緩んだ。その表情は微笑みさえ浮かんでいる。
――……2人は、やはり自分の事を知っている。
そして、あの世界で共に生きてきたのだと言う事を悟った。
「……やっぱり、リュウキ……なのか?」
「……りゅうき、お……おにい……」
キリトは、まだ空を仰いでいる……目を閉じ、空を仰いでいるリュウキにそう聞く。最初は、違うんだと思い、そして 自分の震える心を押し殺して、そう念じていたキリトだった。
……だが、今は違う。
再びその想いは全面に現れ……、ドラゴに聞いていた。ユイは、目に涙を貯めて……、でも決して逸らさずに、ドラゴを見ていた。想いはキリトと同じだった。
「……ああ。オレが以前まで、使っていたHN、CN、だ。……事情があって、今は使っていないが」
その答えを聞いて、ユイの目から溜まっていた涙が零れ、そして一筋の涙となり流れ落ちる。
「っ……。……事、情?」
キリトが次に、着目したのはそこだった。
なぜ、その名前を捨てる必要があったのか?と言う所。あの世界の終焉の場で、本名を打ち明けたとは言え、2年と言う時間、ずっと共にしてきた名前だから。キリト自身も、本名よりも、そちらの方が先に出てしまうから。
「……あの事件の後からだよ。オレの名前を変えたのは。……じい、……育ての親の指示もあった、かな」
リュウキは、そう答えた。……でも、今思えば理解出来る。爺や事、綺堂は彼の身体の事を、頭の痛みの事を心配して、名前を変えさせたのだと理解した。少なくとも、後遺症の大きさを見たら、今はまだ、無理はさせられない、と。
「……あの事件、って言うのは……」
「ああ、二ヶ月前のあの極めて
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