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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第135話 魔の手
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「……おやおや、この僕以上に憎しみの対象である筈のその子供を褒めると言うのか?グラビドン。」
「……重力魔法を設計しただけで、その名を付ける所を見ると随分と安直過ぎる様だな?オベイロンは」
「……五月蝿いよ。ふふ、そう言う君もノリノリじゃないか!」
後半部分は、ただのじゃれ合い?とも思える。だが、決して笑えないもの。邪悪だって思える男達の会話だった。
「……サーバーには茅場晶彦がプログラムしたプロテクトが厳重に張り巡らされてある。……故に、外からの手出しは事実上不可能だった」
「ふん。そうさ、あの人は天才だが大馬鹿者さ。だからゲーム世界の創造だけで満足して満足してしまったから。満足したからこそ、あの世界と共に心中するつもりだったんだろう! ……が そこに、グラビドンが言うリュウキと言う子供が入ってるしている。だから高確率でゲームはクリアされる。だったかな?」
「その通りだっただろう? だからこそ、ルーターに細工をする事が無意味じゃない。クリアはされるんだから。……だが、予想外だった。まさか、あの男がALOサーバーに送る際、回路の流れを変えた。……本来なら、有り得ない事だが」
男は、掴んでいた手を離した。レイナは、どさっと崩れ落ち、仮想世界だというのに、必死に空気を求めていた。
「外からの細工を、中から回避する事など出来る訳がない。……だが、現実ではもっと拉致する事が出来た筈だった数が減っていたんだ。……原因を追究している時、メインコンピュータの中に痕跡が残っていた。コードを書き換えられ、プロテクトが破られ。……あれ程のもの、あの鮮やかとさえ言える手際はあの餓鬼のもの。……何年も見てきたオレだからこそ判った」
男はそう言うと、再びレイナを掴み上げた。
「……須郷。この娘はオレに預けろ。予感がしてきた。……アイツがここに来る予感がな」
「それは有り得ない事だよ。ここ世界樹の上にたどり着くのは絶対に不可能さ。……高難易度、じゃない。不可能クエストだからねぇ」
須郷はそう言うが、男はただ笑っていた。酷く歪んだ笑いだった。
(りゅう……き、くん………はや、と……くん……っ)
……殆ど薄れた意識の底で、レイナは、彼の名を呼んでいた。
〜中都アルン〜
その場所はあまりに美しく……、そして荘重な積層都市の夜景だった。古代遺跡名対し作りの建造物が縦横にどこまでも連なっている。時刻は夜……。だというのに、光で満ちており、その光景は星屑を撒いたかの様に思える。
そして、その街を象徴するものは、この美しい星屑の光達でも、鮮やかな積層の都でもなく……。
「………世界樹……。」
そう、
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