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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第135話 魔の手
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世界をフルダイブシステムをただの娯楽市場の為だけじゃないという事実をまるで判っていない」
映像に映るプレイヤーたちを見ながら狂気の笑みを浮かべ、続ける。
「ふふ、こんなゲームはただの副産物でしかない。その真髄は、フルダイブ用インターフェースマシン、つまりナーヴギアやアミュスフィアは、電子パルスのフォーカスを脳の感覚野に限定して照射し、仮想の環境信号を与えているわけだが……、もしも、その枷を取り払ったらどういうことになるか? ……それはね、脳の感覚処理以外の機能、すなわち思考や感情、記憶までも制御できる可能性があるってことなんだよ」
エメラルドの瞳にどこか逸脱した輝きが宿っている。レイナはこの時心底恐怖した。そして、あの世界でのことを脳裏に呼び覚ました。
『……ナーヴギアのその枷を取り払ったらどう言う事になるか。脳の感覚処理以外の機能を……思考から感情、記憶まで制御できる可能性があるって事。……その為にはかなりの高性能の演算能力を用いたコンピュータ。そしてそれを昼夜問わず制御する為のシステムの構築。それが必要だった。……オレ達技術者はそれの為に利用されたんだ。話によれば、普通の技術者より、オレとサニーだけで、数年分のカットが出来るらしいんだ』
あの世界で、彼が言っていた言葉、そのままだった。
「そ、そんな、で、でも そんなの有り得ない。だって、だってその研究は……何年も前に……」
レイナは、驚きのあまり……言葉がそれ以上出てこなかった。
「……ほう。あの餓鬼は、そんな事までお前に打ち明けたていたのか。つまり」
そんな時だ。レイナの背後に、あの男がいた。
「……貴様が言うリュウキと言うのはあのクソ餓鬼で間違いないと言う事だな」
「い、痛ッ!!」
男は、まるで万力の様な力でレイナの首根っこを握りしめ……、そして宙に持ち上げた。
「おいおい、彼女は僕の義理妹なんだぞ?手荒な真似はよしてくれよ」
ニヤケ顔でそう言う須郷。苦しむ姿を見る事、それも彼の快楽の1つなのだ。アスナに似ているレイナであれば尚更。……須郷は、レイナの事はアスナの代用品程度にしか、考えてない。
「うっ……ぐっ……」
その力は、徐々にレイナの意識を奪っていく。
「須郷。貴様もオレと同じように憎しみを持っている筈だ。……気持ちは判るだろう?……あの男は、貴様の被験者、研究素材になる筈だった、サンプルを逃がした男なんだぞ?」
「……………」
須郷は、その言葉を聞いて 表情を鋭くさせた。
「……オレが言った筈だ。SAOは何れクリアされる事は間違いないと。……あの世界には、あの男がいたんだ。……忌々しいが、事デジタルの世界であれば、あの男の右に出る者はいないとされているからな。」
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