暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第135話 魔の手
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い空間だった。真っ白、それ以外に表現しようがない。ただ、光に包まれて真っ白になった、と言う様な表現ではなくただただ、無機質な場所だった。色と言う理念が存在しないのだろうか。そして、その場所に青い光が現れた。
 その場所にやってきたのは。

「ふふ、ティターニアの妹君がここへと来てくれる日が来るとはねぇ……」
「あ、貴方……。須郷さんなの?」
「ふふふ、ここでは妖精王オベイロンだよ。ティターニア・レイ」

 ……そのアバターの姿は須郷のものではない。が、この嫌悪感は間違いなく現実世界での彼そのものだ。

「……判ったから、変な呼び方は止めて。……須郷さん」
「ははぁ、連れないねぇ……、本当に、ティターニアとそっくりだよ。……彼女もそうやって言っていたよ。興醒めになるように、ね。……この世界での頂点である妖精王と妖精女王だと言うのにね。流石は妹、と言った所だろうか。妖精女王の傍らに寄り添う光か。ふふふ……楽しみが増えそうだよ。」

 須郷事、オベイロンは笑いながらそう言っていた。
 何より、自分の事を《レイ》と呼んで欲しくなかった。そして、その笑顔の一つ一つが生理的に嫌悪感を誘う……が、今はそれらを必死にレイナは我慢した。

「それで、お姉ちゃんは……? 貴方が仮想世界で監禁してるんでしょ……?」
「監禁、とは失礼だねぇ、レイ。明日奈は僕の伴侶なんだよ? そしてこの世界は僕の世界。……この世界の神とも言える存在なのさ。なら、この世界にいたとしても不思議じゃないじゃないか」
「……それがお姉ちゃんの意思だとは思わないし、思えない。……貴方がしていることはただの監禁。……卑劣な犯罪だよ」
「ふふふ、いずれ……望むようになるのさ。彼女からね。……その時のアスナを見て困惑した君を見るのも楽しみの1つだったんだが……、まぁ良いだろう」
「……どういう事?」

 レイナは、表情をこわばらせて聞いた。その話………すごく気になったからだ。かつて、聞いた事がある。そんな気がしたから。

 オベイロンは両手を広げて答えた。

「ふふ、世間一般の連中は何一つ判っていない事なのさ。見てみるがいい」

 オベイロンは、手を掲げた。すると、白い壁に映像が映し出された。

 その世界の空には、たくさんの数の何かが飛んでいて……、夜空を埋め尽くしていた。神々しい光、幻想的な光を生み出しながら……。

「これ……確か……」

 レイナには見覚えがあった。当然だろう、SAOに続くもう1つのソフト、VRMMOなのだから。あれだけの事件があったと言うのに、ユーザーからの強い要望もあり、生まれたのがこのソフト。

「そう、アルヴヘイム・オンライン。ALOと呼ばれる世界だよ。そして、僕たちがいるのは、その世界の中心に位置する世界樹。……
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