暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第135話 魔の手
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る必要があるようだ。……あの世界へ」
「ど、どういう事!?」
「ふふ、全て判るさ。そして、君には拒否権はない。……何しろ大切な姉の事を思えば……ね?そうだろう?」
「……貴方が、貴方達がお姉ちゃんをっ!!」
「だとしても……、君はどうする事も出来んさ」

 そう言って、もう1人の男は、玲奈の携帯端末を見せた。そして、1つしかない出入口に立っている。

「……因みに、最上階の部屋は、レクトCEOの御令嬢さまの病室しかなく、他の患者はいない。……そして今の時間帯、今このフロアにいる人物は我々しかいない」

 腕を組み、そしてニヤリと笑っていた。

「そして、何よりも……須郷の言う通り、君の姉の命は我々が維持しているのだ。……うっかり間違えて、あのシークエンスが作動しない。とも限らないだろう?」
「っ……!な、なんでっ!? あ、貴方はお、お姉ちゃんの婚約者なんでしょ! なんで、そんな事をっ……!」
「まぁ、確かに。僕もそれは本当に本意ではないんだ。力付くで屈服させる事以上にね? だが、もしもこれから君教えてあげることを、外部に漏れでもしたら……、それこそ僕にとっては身の破滅だからね。……これから世界へと羽ばたく輝かしい僕の未来が途絶えてしまう。……天秤にかけたら、迷いはないさ。……なぁ? アスナ君」

 舌舐りをしながら、姉の須郷を見た玲奈は心底嫌悪した。生理的嫌悪感に襲われていた。ここまで、感じた事はあの世界以来だ。あの世界での犯罪者プレイヤーだけだった。


 そして、その後は玲奈はある場所へと連れて行かれる事になった。


 抵抗する事は……姉の事を考えたらどうしても出来なかった。今の状況を、姉の状態を考えたら、操作1つでその命を奪ってしまう可能性だってあり得るから。誤作動だと言われたら……、それまでだから。

 再びナーヴギアを付けられ、あの世界へと。

 全て、あの茅場晶彦に押し付け、知らぬ存ぜぬとするつもりだろう。

「お母さんになんて言うつもりなのっ。私がここに来てる事はお母さんだって、お父さんだって知ってるんだよ」
「ふふ、何とでもなるさ。カバーストーリーを考えれば済むだろ? 例えば……、『姉に会う為に、会えると思ってあの忌々しい機械を試した。……すると、どういう訳か、抜け出せなくなった』……とかな?」

 須郷が運転する傍らで、男がニヤリと笑ってそう答えた。玲奈は蒼白になってしまう。……そう言ってしまえば、本当に信じてしまいそうになってしまうから。これまでの自分は姉の事や、恋人の事でいっぱいだと思われているいたから、そう言う行動をとっても不思議ではないのだ。

「ふん。相変わらずあくどい事を直ぐに考えつくものだな」

 須郷は、苦笑いをしながら運転をした。本来の彼の性格を考えた
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