暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第135話 魔の手
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香りがするんだ』

 玲奈は、その言葉を聴いて、その声を聴いて……誰なのか理解した。

 あの男(・・・)が来たのだと。

 そして、憤りのない怒りを覚えた。今の姉は文字通り身動きがとれず、意思もそこには存在していない。そんな姉を辱める事なんて、許せるわけがない。いくら……、婚約者だと言われているあの男だとしても……!

 だが、この時の言葉で、玲奈の身体に電流が走る事になる。

『ふふ、仮想世界での君。そして君の香りを仮想世界で再現させる為には、やはり、解析機が必要だからね。……少し億劫だと思うが、我慢してくれよ?仮想世界にいる君へのプレゼントにもなるんだからね。……あの世界で』
「っ!?」


 ……あの男は、何といった?

――……仮想世界で再現?
――……仮想世界にいる君への?

 それらの言葉が頭の中を支配し、そしてぐるぐると回る。確かに姉である明日奈の意識は戻ってきていない。まだ、囚われたままだった。 だが、あの男は姉にプレゼントをする。と言っていた。

 つまり、真相は……。

「無用心だな。須郷」
「っっ!?」

 意識を集中していたせいか……、すぐ後ろにいた男の存在に玲奈は気付かなかった。

「っ! 誰だっ!!」
「い、痛っ! な、何するのっ!」

 《須郷伸之》
 明日奈の婚約者として、父親が選んだ存在。レクトのフルダイブ技術研究部門主任。アーガスが生み出したSAOサーバーを維持する為に選ばれたのがその部門である。……明日奈の命を握っている部門であり、そこの主任だ。

 慌ててこちらへと向かってきた時、玲奈は首を掴まれた状態で拘束された。その顔を見て、須郷は驚愕する。

「れ、玲奈君! なぜここに!?」

 誰もいない事を確認して、入ってきた。面会者もいない事を確認してだ。


――……が、これは病院側の不手際でもあった。


 殆ど毎日、長時間訪れる玲奈。

 それが当然であるかの様に思った病院の受付は、彼女の訪問のチェックを怠ってしまったのだ。それを見た須郷が、解析機と共にここへと訪れたのだ。

「痛いっ! 離してっ!!」
「ふん……」

 乱暴に、離すと須郷の前へと玲奈は駆けつけた。

「今の話……どういう事? お姉ちゃんへのプレゼントって一体どういう事なのっ! 須郷さん!」
「っ……」

 自身の独りごとが漏れた。それ故に、玲奈は疑問を持ってしまったのだ。須郷への疑念を強く強く持ってしまったのだ。元々、良い印象は持たれていなかった事も拍車を掛けてしまった。
即ち……。

「仕方がないなぁ……」

 須郷は、驚いていた顔から何処か卑しさも含まれた表情へと変わった。心底嫌悪する顔になった。

「君には、招待す
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