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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第135話 魔の手
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〜埼玉県所沢市総合病院 屋上〜
もう、夕日も沈む時間帯。赤く……赤く、染まる空。でも、あの時の空とは違って見える。
「……そう、だよね。皆で見てこそ。だもん」
夕日を眺めているのは、玲奈だった。
姉の明日奈のお見舞いに来るのが、彼女の日課である。彼女の周囲は、SAO事件での生還者達を受け入れる学校への入門を考えているが……、玲奈は首を縦に振らなかった。姉と一緒じゃなきゃ嫌だと言って。
「……お姉ちゃん。……隼人君」
この黄金色の空を眺めていると、自分の意思に反して涙が流れてくる。あの約束を、信じていない訳ではない。目を閉じれば……、聞こえてくるから。
『……必ずやってみせるから……。また、会おう。やくそく……』
目を閉じれば、声が聞こえてくるんだ。こうやっていれば、後ろから抱きしめてくれる。自分を包んでくれる様に。
「……ダメっ」
玲奈は、首を振った。そして、屋上の入口の方へと歩き出す。
「思い出は……、優しい。隼人君と同じように優しい。でも、いつまでも甘えてられないよ」
一歩を踏み出す。いつまでも、ここで泣いてなんか要られない。次に、この光景を見るのは皆が揃ってから。この夕日を見るのは……、皆で一緒にだと。
「それに、お姉ちゃんを1人にさせちゃ、可愛そうだよね」
玲奈は、屋上で干していたタオルを籠に入れ……そして、この場所を後にする。一体、いつからここにいるだろうか……?
「あ……、面会時間が、ギリギリになっちゃったよ」
玲奈は、腕時計で現在の時間を確認する。
「お母さんに、ちょっと遅れるって、連絡を入れておかないと……。あれ?」
ポケットの中を探るが、そこには携帯端末は無かった。反対側も探ってみるけど、入っていない。
「……あ、お姉ちゃんのトコだ。花瓶の水を入れ替える時に、置いたんだった」
思い出しながら、玲奈は病室へと向かっていった。
〜埼玉県所沢市総合病院 最上階の病室〜
時間もあまり無いから、玲奈は足早に姉の病室へと向かい、そして近づいたその時だった。
『……ふふ、やはり……する.…には、此処じゃ……ば不可……』
声が、聞こえてきた。それは、姉の病室からだった。
「ん……?」
玲奈は少し不審に思った。今の時間帯での面会者は、あまりこれまでにはいなかった。一番、姉と一緒にいる自分だからこそ、判るのだ。
午前中に、母や父、そしてあの男。そして、和人もその後に。なら、一体誰がだというのだろうか?
『ふふ……、そう、そうだ。この香りだ。ずっと床に臥している今だからこそ……、何も誤魔化していないキミそのものの
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