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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第134話 真実へ……
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 静けさを取り戻したシルフとケットシーの会談場。

 そこで、今回の発端、その元凶である者の事をリーファは伝えた。一部は憶測ではあるが、殆ど間違いない事を伝える。そして、確かめる方法も簡単だろう。

「……この手の悪党は、想定外の事態に陥れば直ぐにボロを出す。シルフとケットシーの会談が終了し、同盟となれば……」
「ああ。そうだな。アイツはポーカーフェイスって訳じゃなさそうだった」

 ドラゴがそう言うとキリトは同意していた。ドラゴ自身は、あの男……シグルドに会ってはいないが話を聞く限りでは、大体推察が出来たのだ。

「……その通り、だな。成る程」

 両腕を組み、サクヤは眉を小さく細めながら頷いた。

「ま、あたしはここ最近は特にあのキザっぽいバカを見るのも嫌だったし? 別に驚きゃしないでしょ? サクヤ」
「……リタの言う通りだ。ここ何ヶ月かは、シグルドの態度に苛立ちめいたものが潜んでいるのは私も感じていた。……だが、独裁者と見られるのを恐れ、合議制にこだわるあまり、彼を要職に置き続けてしまったんだ……」
「やーサクヤちゃんは人気者だからネー。辛いところだヨねー」

 うんうんと頷いているケットシー領主のアリシャ。……因みに彼女はサクヤ以上の単独長期政権を維持している。ここから判るとおり、完全に自分のことを棚に上げて頷いているのだ。

「でも、なんで? 苛立ち……?」

 リーファはその心理が判らなかった。……リーファが判らないのは仕方がない。彼女は、ただ……自分の翅でどこまでも、高く……高く……飛んでいきたい。それが彼女のこの世界での最大の欲求だったから。

「……アイツの求めてるものが、アンタとはまるで違うのよ。リーファ」

 心底くだらなさそうに、言うリタ。リタの欲求は、知識欲だ。魔道と言う未知の知識を知りたい、解き明かしたい、使いこなしたいと言うものだった。そして、彼女はそう言うシグルドの様な人間を現実世界でも見てきているからこそ、直ぐに悟ることができたのだ。

「……彼には許せなかったのだろうな。戦力的にサラマンダーの後塵を拝しているこの状況が」

 サクヤも静かに口を開いた。この場の誰よりもシグルドと言う人物と近く接していたからこそ、その言葉には説得力もある。

「シグルドは、パワー志向の男だからな。キャラクターの数知的能力だけではなく、プレイヤーとしての権力をも深く求めていた……。ゆえに、サラマンダーがグランド。クエストを達成して、アルヴヘイムの空を支配し、己はそれを地上から見上げるという未来図は許せなかったのだろう」

 心情的には納得出来ないその志向だが、別に不思議ではないし、強ち誤りでもない。歴史が物語っているものだから。誰かの上にたちたい、それが他者を、仲間を陥れるも
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