暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第131話 猫と風の妖精の命運
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「ちょちょ、あれ、無理でしょっ!! と、と、とま、とまっ」

 振り回されながらも、着実に近づいていく大群を見てそう言うリタ。だが、ドラゴも速度を落とすような事はせず……、その速度のまま 剣を素早く抜くと。

「ぬんっ!!!!」

 その速度に合わせて、裂帛の気合と共に、扇状に敵を切り裂いた。そのダッシュも攻撃の補正、判定にはかかっているのか、通常の立ち止まってのスライス攻撃とは比べ物にならない程の威力であり、モンスターが軽く吹き飛んだのだ。

「……よし、道ができた」
「っっ〜〜〜!!」

 その衝撃映像は、まるで、高速道路で人を轢いてしまった様な感覚だった。
 複数のオーク達は、壁へと“びたんっ!”と、まるで漫画の様に、めり込むように吹き飛び、風圧で道も出来てしまったのだから。それがたたったのか、キリトとの距離はやや開くが、それも数m程だった。


 そして、その後は問題なくモンスター達を掻い潜る事が出来た。
 エンカウントしても、立ち止まること無く進んでいく内に、背後には巨大なモンスターの大群が生まれてしまった。濁流の様に地響きと共に追いかけてくるが、こちらの衝撃音の方が衝撃すぎて、気にならない。……後々、振り返って冷静になって考えると、この行為は《トレイン》と呼ばれる非マナー行為だ。大量のモンスター集団を生み、そしてもし何処かにプレイヤーがいたら、そのプレイヤーにタゲを擦り付けてしまうかもしれない。
 緊急事態とは言え、目覚めの悪い事だが、幸いにも。プレイヤーは誰ひとりおらず。

「お、出口かな?」
「ああ」

 前方の光を見て2人がそう呟く。マップ情報を完全に頭の中に入れているドラゴも頷いていた。

 そして、先ほどまで小さな光だったのだが、その光は速攻で大きくなり、4人を包んだ。

「ひゃあああああ!!」
「うきゃああああ!!」

 その瞬間、足元から地面が消えたのだ。速度に慣れてきたか?と思った矢先の出来事だった為、再び2人は悲鳴を上げて、足をばたつかせる。

 轟音が一気に拡散した……、と感じた2人はゆっくりと瞼を開いた。そこは、どうやら洞窟ではなく……、もう空の上だった。

 翅で飛んだわけではなく、どうやら、山脈の中腹にあるルグルー回廊の出口から、まるでカタパルトの様に飛び出たようだ。

「っっ!!」
「きゃぁっ!!」

 慌てて、翅を広げ滑空体勢に入る2人。殆ど同じタイミングで、詰めていた息をいっぺんに吐き出した。

「――ま、魔法スペル、何個か飛んだ、絶対………」
「――こっちは寿命が縮んだわよっ……」

 空中で、ぜいぜいと荒い呼吸を繰り返している2人。

「わはは、時間短縮にはなっただろ?」
「……違いない。ここからまだ距離がある様だ
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