第1章 光をもとめて
第7話 絶対王者 陥落
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敵わないな。真知子さんには」
ユーリは両手を挙げて降参の構えを取った。
彼女は カスタムの町の情報屋を経営しており、《芳川真知子》と言う名。ユーリはカスタムの町には言った事は無いが、とあるギルド依頼の際に巻き込まれていた彼女を救ったところから縁が始まった。彼女は珍しいコンピュータを扱う事ができ、色々な事を知りすぎているとまで言われる程の情報通。故に世間や男を冷めた目で見ていたそうだが……。実際に会ってみてそんな感じは全くしないのだ。
「……それは、ユーリさんに出会ってからですよ? 世の中は、私の知らない事がもっともっとあるんだってことを実感しましたし」
真知子は微笑みを崩さぬままに、そう伝えた。彼女もまた ユーリと出会い 変わる事が出来た人物の内の1人なのだ。
「……ああ、そうだな。実際にオレもそれは何度も体験しているよ。ギルドの依頼をする度にと言っても大袈裟じゃない」
「ふふふ、そうですか。私と一緒、ですね。 あ、ユーリさん? 私の前でフードは3ヶ月間禁止条約はどうしたのですか?」
「っ……。そうだったな」
真知子には、以前からも借りが多数ある。かなり質の良い情報を提示してくれる事が多く、金銭取引なのだが、『何か礼を……』と言ってしまったのが、ユーリにとってはoutだった。真知子が求めたのは、金銭の類ではなく、ユーリと面を向かって話したいと言う事。つまり、表情まですっぽりと覆ってしまいかねない程の大きさのフードを外してもらって、ちゃんと顔を見て話をしたい、と言う事だった。
「……ふぅ」
ユーリはゆっくりとフードを取り黒いショートヘアを露にした。真知子はニコリと笑って頷く。『満足です♪』と言う台詞が今にも聞こえてきそうだ。
「お顔の事、そこまで気にする事ないって思うのに……」
「いくら真知子さんに言われても、それだけは 絶対同意しない」
「整った顔立ちで素敵だって思いますよ?」
「……はいはい。世辞をどうも」
「本心でしたのに……」
童顔を気にしているのは昔からだから、ユーリは頑なに否定した。
真知子の言うとおりな部分は勿論ある。童顔とイケメンは紙一重。とまではいかないと思うが、可愛いは正義!とも言うし。人気が出やすいのは確かだ。だが、それはあまりにユーリが気にしすぎるから、弄びたい衝動に駆られ、回りがからかってしまい……そして今に至っている状況なのだ。それに、ランスと出会った時の第一声もそれだったから、更に信用できないようだ。
「ふふ……。ロゼさんに相談したらどうですか? 彼女はAL教のシスターなんですから。きっと、ユーリさんを諭して、良い道へ導いてくれますよ?」
「んげ……。冗談でも止めてくれ。そんな事ちょっとでも言ったら、『直ぐにでも大人の階段を上らせてあげま
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