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大統領の日常
本編
第三十六話 首都戦4
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逐艦が爆沈した。それに続くように艦橋には絶え間なく味方の損害報告が届いていた。
「巡洋艦クルーシェン撃沈!」
「戦艦ルイトポンド大破炎上中!現在退艦中とのこと!」
「空母シュラーケン撃沈!艦載機はほぼ全滅!」
「駆逐艦シュデリン撃沈!第二戦隊の損害7割!」
「本体の損害3割を突破!」
「第三戦隊はほぼ壊滅状態!」
「第二戦隊司令ポールデン准将戦死!」

シヴァの放つレーザーによって左翼艦隊はその数をどんどんと減らしていった。
それまで直線にしか撃てず、主に対空兵器にしか使用されていなかったレーザーが、艦砲兵器として使用されていることに驚いた将兵たちは、その思考を青い光によって復活させられ、何を考える暇もなく冥界の門をくぐって行った。
リーデリックは、数の上で圧倒的に有利なわが軍がなぜこれほど苦戦しているのかと半ば放心状態になったため、指揮系統は混乱して副司令官のミュデック准将がそれを回復させるまでに兵力の7割を失っていた。


実際は右翼艦隊は救援に駆けつけるためにこちらに向かっていたのだが、そんなことを知る由もないキリルデンは、もはや勝機なしとみて動力を停止して降伏した。

救援に駆け付けた右翼艦隊も、それを待ち構えていたビッテンフェルトの第三独立艦隊によって壊滅し、残った数隻は降伏した。最終的に左翼艦隊はリーデリック少将の旗艦と8隻の本体直属の護衛艦が残り、白旗あげて降伏した。

リーデント大将の本体は、新無宮殿がロンディバルト軍に制圧されたとの報告を聞き、皇帝が既にクーデター派に保護されているという情報も入ってきたため、皇帝陛下がクーデター派についている以上その配下である軍と戦うわけにはいかないと考え、全艦に砲撃を中止するように命令して皇帝派軍に合流した。最初は悩んでいたが、家族が皇帝派によって保護されたという知らせを聞いたことで決心がついたようである。
元々はハワイ諸島攻防戦で戦死(捕虜になって生きているが、公式には戦死扱いになっているため)したルーゲル大将の代わりとして、皇帝派からスカウトされていたこともあり、加えて脅迫されて参加させられていたため、すんなりと参加することを許された。

飛空軍を壊滅させた皇帝派軍は、地上部隊を支援しつつ帝都を制圧していった。



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