本編
第三十六話 首都戦4
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いるのか!?全艦、対空砲であの小さいハエどもを叩き潰せ!!」
すぐに対空砲での攻撃を命じた副司令官達であったが、深海棲艦は一艦艇と同様の攻撃力を備えているとともに、それに加えて装甲も備わっていた。対空砲程度ではかすり傷もできず、水雷部隊は見た目だけの弾幕をものともせずに、魚雷を無数にばらまいて行った。
水雷部隊に気を取られていた貴族派軍であったが、他にも敵がいることを思い出したのは空を覆い尽くすような砲弾の雨が頭上に降り注いだ時だった。
「くっ!しまった!各艦回避行動!!」
すぐに回避行動を開始した貴族派軍だったが、混乱してとっさに取った回避行動で味方艦同士の衝突が相次ぎ、そこに深海棲艦の雷撃や砲撃が襲い、小回りの利く駆逐艦や軽巡を除いたほぼ全艦が轟沈または大破した。
ただでさえ司令官である貴族が逃げ出していて、加えて届いた報告で皇帝が既に平民派によって保護されている報を聞き、もはや交戦の必要なしと判断した貴族派軍は、各自白旗をあげて降伏した。
海上戦力を殲滅したロンディバルト軍と皇帝派軍は戦艦を中心とした地上攻撃を開始した。
ただし、シヴァだけは地上攻撃には参加せず、戦いの場所を求めて空へと飛び立った。
変わって上空では、皇帝派軍とビッテンフェルト少将の第三独立艦隊の共同艦隊と貴族派軍の間で、激しい戦闘が繰り広げられていた。
ロンディバルト軍 皇帝派軍 貴族派軍
参加兵力 138隻 750隻(2個艦隊) 1150隻(3個艦隊+守備隊)
「撃ちまくれ!!皇帝派軍と共同で敵を殲滅するのだ!!」
「貴族派軍をロンディバルト軍と挟撃する形を取りつつ前進!」
ロンディバルト軍と皇帝派軍は貴族派軍を包囲殲滅せんと陣を敷いていた。
「キルリデンの艦隊は反乱軍に当たれ!敵は艦隊の半分以下だ、殲滅後はクーデター派軍の側面か後方に回り込め!残りはクーデター派軍を攻撃する!」
貴族派飛空軍の司令官であるリーデント・フォン・ラーベック大将は貴族では珍しいまともで優秀な貴族司令官の一人である。
彼は平民派に参加するつもりだったが、貴族の二大勢力の一人であるリヒート・フォン・ケルベンライクに家族を殺すと脅され、やむを得ず貴族派に組しているのである。
彼以外にもこういった脅しで、仕方なく貴族派に身を寄せているものも多く、加えて平民派がこういった者たちの家族や親戚を優先的に保護しているため、貴族派を裏切る者も増えて来ていた。
「敵の一部、50隻ほどの艦隊がこちらへ向かってきます!その後方から約300隻の艦隊も接近中!」
「敵は手薄だ、動きも鈍い。一気に突破するぞ!」
ビッテンフェルト率いる第三独立艦隊は、ロンディバルト飛空軍内で、最も攻撃力の高い艦隊であり、その破
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