本編
第三十六話 首都戦4
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塔の目標ロック!照準合わせ!」
砲術員がパネルを操作してレーダーの目標に合わせて標準を合わせる。
「全砲塔発射準備完了!」
砲雷長のその報告を聞くと、ニコラフスキーに発射許可をもらうために目を向けた。ニコラフスキーが首を縦に傾けるのを確認して、号令を出した。
「第一斉射!撃て!!」
砲雷長の号令とともに、5基の主砲と3基の副砲から計24発の砲弾が、貴族派軍の艦隊に向かって放たれた。
DOGOOOMMMM!!
「斉射完了!」
「着弾まで10秒!9,8,7,6,5,4、3,2・・・」
「着弾!!」
その瞬間水平線上に十数本の水柱が立ち、6発の砲弾が敵艦に命中した。
「くそっ!クーデターが起きたと思ったら、反乱軍まできやがった!」
「回避運動!ディベル粒子で命中率は低くなっているはずだ!祈ればもっと低くなるぞ!」
士気を上げるために軽巡の艦長が言ったことを真に受けた乗員たちは手を動かしつつも心の中で祈り続け、それのおかげかどうかはわからないが、この艦はほとんど無傷のまま生き残ることが出来ていた。
「なんだよ、あのちっさい黒い奴らは!砲撃が全然当たらないぞ!」
シヴァと艦娘達が攻撃している頃、その対処に追われた貴族派軍の隙を突いて深海棲艦の水雷部隊がその小ささと機動力を生かした雷撃船を仕掛けていた。
「醜態を見せるな!ディーク少将!クーデター派はそちらで防いでくれ!こっちは反乱軍の奴らを抑える!」
皇帝派軍とロンディバルト軍に挟撃された貴族派軍では、両艦隊とも司令官である貴族が早々に逃げ出してしまったため、平民の副司令官が代わりに指揮を執っていたのだった。
第五艦隊副指令のフォートックが同じ首都に配備されていた第八艦隊の副指令ディークに無線で伝えた。
「了解した!守備隊の奴らも半分そっちに回す!」
ディークはフォートックの後輩であったので、指示はすぐに承諾した。これが仮に貴族であったならば、こうも簡単にはいかなかっただろう。
「頼んだ!」
無線を切るとフォートックは別の無線を手に取るとスイッチを入れてしゃべりだした。
「この際、あのちいさい奴らは後だ。まずはあの反乱軍の本体を殲滅する!」
彼はひとつの誤算をしていた。深海棲艦はとても小さく、その分火力も銃程度、あってもバズーカ程度だと考えていたのだ。
「水雷部隊ハ敵ノ戦艦ト空母ヲ始末セヨ。空母ハ制空権ノ確保、戦艦ト重巡ハ水雷部隊ノ掩護ヲスル」
戦艦水鬼の指示に従って、軽巡と駆逐艦で編成された水雷部隊が、艦娘たちを攻撃していた貴族派軍に無慈悲な雷撃を加えて行った。
「なっ、魚雷だ!回避!回避しろ!!」
気づいた時には時すでに遅く、水雷部隊の放った魚雷は吸い込まれるように命中し、船体を切り裂いた。
「あの小さい奴らにも一艦艇並の攻撃力が備わって
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