21部分:第二十一章
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りでないようで」
「相変わらずじゃな」
「はい、松本さんだけを見ております」
「無理じゃと思うがのう」
老人はそれを聞いて顔を少し上げて呟いた。
「高嶺の花とかは言わぬがあれは」
「この世にある花ではありません」
「そうじゃな。言うならば魔界の花じゃ」
「はい」
野島はその言葉に頷いた。
「彼には。添ぐわぬと思うがのう」
「そうは考えていないようで」
「困ったことじゃ」
それを聞いてふう、と溜息を出した。
「顔も性格もいいとは思うがのう」
「松本さんの様に破綻しておりませんし」
「そうなのじゃ。勿体無いことじゃ」
「何はともあれ今は館には御二人がおられますが」
「最初はわしと御主を入れた四人であたるつもりじゃった」
「はい」
野島はまた頷いた。
「ここから帰ってからな。じゃが読まれておったか」
「残念なことに」
「敵はどうやら。館の中におったようじゃな」
「私はおろか御前にも感じさせない者がいたとは」
「かなりの使い手なのは間違いないな」
「ええ。それもかなりの」
「誰じゃと思う?」
御前は八条の目を見て問うた。
「それによっては大きなことになるが」
「と言われましても」
だが彼にも今一つこれといった心当たりが思い浮かばなかった。
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