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黒魔術師松本沙耶香  薔薇篇
18部分:第十八章
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たあのロゼを飲んでいた。エレナに頼んで何本も開けていた。チーズやソーセージと一緒に飲んでいた。
「やはりそれでした」
「水の中に浮かぶ美女の屍で」
「薔薇に見送られて冥府へ向かう」
「何か文学的な表現だけれど」
「何処か趣味が悪い。次第に犯人の嗜好がはっきりしてきましたわね」
「少なくとも奇麗な女の人が好きね」
「そちらですか」
「ええ。私にはわかるわ」
 沙耶香はそれに応えてこう述べた。そしてグラスの中のロゼを飲み干す。飲み干したグラスに自然に動いたボトルがワインを注ぎ込む。沙耶香の魔法であった。
「三人の犠牲者はどれも奇麗だったわ」
「確かに」 
 それは速水もわかっていた。彼はチーズを一口口に含んだ後でそれに返した。
「素晴らしい美貌の持ち主ばかりでした」
「そうよね。勿体無い位の」
「どの方も好みであられたようですね」
「それは否定しないわ」
 自身の好みを隠すような沙耶香ではなかった。
「だからこそ残念なのよ」
「やはり」
「三人。これで三人よ」
「ですがこれで終わりではないでしょうね」
「そうね。手紙にあったのは五人」
 沙耶香は述べた。


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