第二十話
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いったんだ。
俺は買ってもらった弁当をテーブルの上に置き、テレビをつけた。
血まみれで汚い服はさっさと脱ぎ捨てる。すぐに着替えなくちゃなんないけど、全裸でいるわけにもいけないので、とりあえずジャージに着替えることにする。
学生服もズボンも乾いた血でザラザラ。びっくりしたのは脱いだ靴はまだ血が乾いていなくてグズグズだったこと。どうりで気持ち悪かったわけだ。
もうあの靴ともお別れだ。高かったんだけどなあ。
ソファーが血で汚れたら行けないので、フローリングの床に座る。
少し動くだけで肌がざらついて気持ち悪い。
顔を洗いたい、頭も洗いたい。でもユニットバスだから入っていけない。仕方なく台所で顔を洗うと、シンクに流れる水は真っ赤になった。
すげー、これ、血だ。
風呂場からはシャワーの音が聞こえてくる。鼻歌まで聞こえてくる。
タイトルはわからないけど、そのメロディはどこか懐かしい曲だ。
俺はポットのお湯をカップに注いだ。コーヒーの良い香りがする。
一口飲むと、心が落ち着く感じ。カップを持ったままリビングに移動し、仕切りの扉を閉めた。脱衣所が無いからドアを閉めておかないと王女が出てきた時に吃驚するからな。
再び座り込む。
テレビは深夜アニメかお笑いをやっている。あとはドラマの再放送だ。どれを見ても大したモンじゃない。
気がつくとウトウトしている。遠くでドライヤーの音が聞こえる。
ホント不思議なのは異世界から来たというのに、こちらの世界の電気製品を普通に使えるのは何でなんだろう?
風呂場が静かになったと思うと、扉が開き、パジャマ姿の王女が現れた。
「待たせたわね。……やっとさっぱりしたわ。このセンスの悪い服は気に入らないんだけど」
王女が着ているのは幼児向けのアニメのキャラクター柄のパジャマだからね。サイズ的にそんなのしかなかったって亜須葉は笑いながら言ってたな。
金髪の女の子が着ると凄い違和感があるけど、何故か似合ってしまうところが恐ろしい。
「ご飯あるけど、食べる? お茶なら入れるけど」
俺はテーブルの弁当を指さした。
「ありがとう。でもおなかは空いていないわ。それよりもそろそろ朝が近づいているから、もう眠くて仕方ない。先に寝るからシュウもシャワーを浴びてきたら? とっても酷い格好だから、ただでさえ汚い顔がさらに汚くなってるし臭いわよ」
酷い言い方だ。あんまりだ。
朝が近いから眠くなるのはなぜだかわからないが、聞くのもめんどくさい。
「ああ、ありがとう。じゃあ行ってくるよ」
俺は洋服ダンスから下着とジャージを取り出すと扉を開けようとする。
「それと、お前はソファーで寝なさいよ。ベッドはわたしが使うから」
「そんなのわか
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ