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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
27.精霊と神と
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ど繋がりがない、本当に純粋な信徒だからね。キミたちはクリスタルに誓ってやましいことはしないって分かって……………」

 自慢げに説明したヘスティアが、ふと何かに気付いたように停止する。
 遅れて、ティズがアニエスのミスに気付いてあっと声を上げた。

「え?え?な、何ですかティズ?」
「いや……その……アニエス?今、自分が風の巫女だって言っちゃわなかった……?」
「あ」

 確かに……言った。まだ神殿関係者としか言われてないうちに勘違いして。

「ちょっとアニエス!駄目じゃないの!オラリオの神も皆が皆クリスタル正教に理解がある訳じゃないのよ!?そういうところはちゃんと隠さないと!」
「ご、ごめんなさいエアリー………って、え?エアリー………」
「なぁに?………って、あ」

 ティズはもう何をどうすればいいのか分からず頭を抱えて蹲り、ベルは瞳を輝かせ、ヘスティアはポカンと口をあけ、リングアベルの瞳が驚愕に見開かれる。
 その原因は言うまでもない。

 一番出てきてはいけない秘密が堂々と出てきて羽根をパタパタさせながら怒っているせいだ。

「よ……よ……」
「妖、精……?」
「………まさか、お前……!?」
「もうどうにでもなれ……」
「貴方、隠れてないといけないのでは……!!」

 しばしの間目をパチクリさせたうっかり精霊は――

「あ、あああああ〜〜〜〜!!エアリーは出てきちゃ駄目なの忘れてたぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!?!?」

 ――やや遅れて、耳に響く甲高い絶叫を部屋に鳴り響かせた。
 これにより、ヘスティア・ファミリアは一気に混沌とした空気に包まれることとなる。



 = =



 気が遠くなるほど昔の話から、この世界は『ルクセンダルク』と呼ばれている。

 誰がいつ付けた名前なのかは分からないが、それは間違いなくこの星全体を差す言葉だった。
 人も、神も、その名をつけた者の存在を知らない。まるでそれまでの歴史に突然混ざってしまったように、それはこの世を生きる者が持つ基礎知識として浸透していった。様々な人種が集い、互いに共存していく巨大な箱庭――しかし、その中でも空想の存在と呼ばれる者がいる。

 妖精。

 エアリーは精霊を名乗ってはいるが、その姿は幻想文学上の妖精と呼んで差支えない。
 同時に、蝶の羽と小柄な体躯はリングアベルにある人物から聞いた存在を連想させる。

「ミネットを呪い、俺を殺すように囁いた妖精……か」
「キミは疑っているのかい?あのエアリーがミネットちゃんを唆した『嘘つき妖精』じゃないかって……」
「ん………あまり疑いたくはないが、な」

 背後からかかったヘスティアの声に、リングアベルはどこか優れない表情で頷く。

「でも、目撃証
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