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ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第128話 激闘の予感
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キリトがそう聞くが、ユイは首を振った。

「いいえ、これは……プレイヤーのものです。……とても多いです。8……10……いえ、14人」
「じゅっ、じゅうよん??」

 思わずリーファは絶句をした。通常の戦闘単位から考えたら、それは多すぎる数だから。だから、アルンを目指すシルフ族の交易キャラバンか、と思ったが、正体が判らない以上は慎重に構えた方が良いのは事実だ。


――……だが、この時リーファは思いもしなかった。


 まさかこの後、大量PKが起こる事、そして、まさかの大怪獣・大決戦が起こる事なんて……。





 兎も角、リーファ達は、嫌な予感がしたのは事実だから。

「……何だかちょっとヤな感じがするから、隠れてやり過ごそう」
「隠れるといっても、位置的には一本道だし、……何処に?」

 キリトは戸惑うようにそう言い、周囲を見渡すけど……やはり隠れられるような場所は見当たらない。
そんなキリトを見たリーファはニヤリと笑う。

「ま、そこはオマカセよん。これでも、あの気難しくて、とってもシャイな大魔法使い様と一緒にパーティを組んだことがある内の1人ですからねん!」

 リーファはすました笑みを浮かべながらキリトの腕を取る。そして、左手を上げて、詠唱を開始。唱え終わると、直ぐに緑に輝く空気の渦が足元から起こり、2人の身体を包み込んだ。こちらからは、視界が変わっただけで、わかりにくいが、外部からはほぼ完全に隠蔽された筈なのだ。

「……これで、完全に隠れられたわよ。ただ、喋るときは最低のボリュームでね。じゃないと、魔法、解けちゃうから」
「成る程……、……隠蔽(ハイディング)スキル要らずだな」

 キリトは、かつて大分世話になったあの世界でのスキルを思い馳せながらそう呟いていた。視覚的に決して見つからない魔法だから。

 そして。

「……パパ、あと二分ほどで視界に入ります」

 ユイの言葉で身を引き締めた。先に視界に捉えたのはキリト。そして、……出くわしたのは、プレイヤーではなかった。出くわしたのは……リーファはつい最近見たものだった。

 赤いコウモリ。そう、あの時の、レコンと一緒に襲われた時の物と同種。サラマンダーの使い魔。高位魔法である《トレーシング・サーチャー》だった。

 あの時、レコンと一緒に飛んでいた時に、場所を補足された。現れたのは3人のサラマンダーの重戦士。今回は14もの大部隊のサラマンダー。
 ……それは、考えられる内の最悪の展開だったのだ。











〜ルグルー回廊・入り口〜


 時間は少し巻き戻す。
 キリト達がトレーシング・サーチャーと遭遇する大体1,2時間前。

「……ん。ここがルグルー回廊か」
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