第1章 光をもとめて
第6話 リーザスの少女達とコロシアム開催
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な考えで、だよ。アイテム屋が呪われたものを扱ってたら、いい気分はしないだろ? 消費者としては」
僅かずつだが、ゆっくりとミリーの表情が緩んでいく。そしてユーリから、差し出された眼鏡をミリーは受け取った。
「……不幸のアイテムを渡す、なんて 正直嫌がらせの様な感じがするが」
「そんな事はありませんよ。 その……ユーリさんも」
「ん?」
ミリーは少し視線を落とし、そして改めて、ユーリを見た。その顔には眼鏡がかけられている。
「ユーリさんも、私の事……しんぱ「やっほーーー! ミリーちゃーーんっ! 遊びにきたよーー!!」……っっ」
突然、あきらめの扉が勢いよく開く。そこに来ていたのは。
「あーー! ユーリじゃんっ! ミリーちゃんのとこに来てたんだ??」
「ああ。……ってか、勝手知ったる他人の武器屋だな。まぁ、店だから別に問題ないのか……? それに店はどうした」
「大丈夫だよー! ちょっとくらい空けたって!」
まるで自分の家の様に入ってきたのは、パティ。《パティ・ザ・サマー》だ。以前に、氷砂糖にまで、サービスアイテムを持ってきてくれた少女。お得意様だから、と言う理由もあるだろうけれど。
店もこの調子で開けてしまうと商売上がったりじゃないか? とも思えるが……、大丈夫だろう。逆境に強い娘だから。
「………」
ミリーは、ただ呆然と見ていた。
「ユーリは、優希ちゃんとは会った? とっても、会いたそうにしていたよー」
「ああ、情報屋には何度か足を運んではいるが、タイミングが合わないらしくてな。まだ会ってない」
「ええ〜、ちゃーんと会いに行ってあげなきゃダメだよー!」
「無茶言うなって。遊びに来てる訳じゃないんだから」
パティとユーリが楽しそうに話をしているのを横で見ているミリー。
「(……確かに、この眼鏡……効果があるみたい)」
胸の奥がズキズキと痛む。以前も、こんな事は少なからずあった。こんな体質になる前に助けてくれたから、と言うのも合ったかもしれない。特別な視線で見ていたんだ。
そして、その痛みが、今……最も痛く感じる。
――……生きている事が実感できる程に。
「あはは! あれー、ミリーちゃん イメチェンしたの? 眼鏡、かけてたっけ??」
パティは、ミリーが眼鏡をかけている事に今気づいた様だ。まじまじと見つめるパティは、少し苦笑いをしながら。
「んー、ちょっと似合わないかもよ? ミリーちゃん。今度、もっといいの 私も探してあげよっか?」
そうはっきりと言っていた。彼女達は本心を素直に言い合える間柄だから、これでケンカになったりはしない。
「……いい。私、これ、その……す、好き……だから」
ミリーは首を横に振った。
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