第1章 光をもとめて
第6話 リーザスの少女達とコロシアム開催
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ミリーは、襲われているのにも関わらず、普段の自分を消さずに、対応をしていた。
「おお……、なんたって、前に入ろうと思ってた《限りない明日》って謳ってる一団は壊滅したからな。憂いを無くすために備えているのよ」
「……強盗で、ですか。すごい矛盾してる気がしますけど」
ミリーのそれは、本当に的確なツッコミだ。拍手を送りたい程だ。
「無口かと思ったが、割と喋るじゃねぇか。お嬢ちゃんよぉ。まさか、金とモノ盗られて終わりだなんて、思ってねぇだろうなぁ? あぁ!?」
「っ……」
男の手がミリーの胸ぐらを強く掴む。そして剣の切っ先を向けていた。そして僅かに表情が歪むミリーの表情を満足げに見て、剣の切っ先を黒い服の生地にかけ。
「へへ、動くなよ……、怪我、するぜ……」
強盗の剣がそのまま引かれ、一部を包帯に包んだ白い肌が外気にさらされた。
「あっ……。ん。 随分と、切れ味の悪い剣ですね」
あくまで冷静に対応、と言うより、冷静にものを見てそう言うミリー。だが、強盗達もそんなミリーの事を大体判ってきたのだろうか。
「おお、だから新調させて貰うわ。ま、お楽しみの後でな……」
興奮を一切隠そうともしない。舌なめずりを繰り返していた。
「ふひー、女、ひさしぶりだな……」
「お前は後な。いつもぶっ壊すまでヤり続けるんだから」
「へへへ。オレ、壊した女、殴りながらじゃないと 立たないんすよー」
「またまたー 兄貴だって、オレと一緒じゃないっすかー。歯ぁ、全部引っこ抜いて させたりするのが、サイコーだとか言ってさぁ!」
「あー、そうだったかなぁ?」
下卑た笑い声が店内に響く。その声は、外にまで聞こえる程だ。
それを訊いたのが、ユーリであり、その後店内に入ってきたのだ。
「ぁ……。やっぱり」
ミリーは、店の扉の方を見ていたからこそ、判った。この店に、誰かが入ってきた事を。
「げへへへ……、さぁて、お楽しみの始まりだなぁ」
「ひっひっひ」
「……そうだな」
この時、男達は違和感を感じていた。この店には3人しかいなかった筈なのに、いつの間にか、声が増えているのだ。
それも、異様な気配と共に。
「一体だ……」
「へ……」
まさに一瞬の出来事。振り向く間もなく、その頭と胴体は永遠の別れを告げていた。
「ったく……。まだ 残っていたのか。アイツ等の残党が」
限りない明日戦闘団の残党だと言う事は判った。着ている服が似たような物だ。とりあえず、2つ出来た死体は、この店にとっては迷惑極まりない事だから、ゴミ袋の中に放り込んで、《生ゴミでも燃えるゴミ》として処理することにした。
「大丈夫か? ミリー」
「……大丈夫、です。ありがと
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