暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
書の守り人
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い、やめてぇぇ!!」

 痛い。苦しい。汚い。怖い。
 嫌だ。嫌だ! 嫌だ!!

「やはり可愛いな、セレイラ」
「やっ やだやだや……ッ! あ、あっ」

 強引に侵入ってくる一方だった男が突き当たりを見つけ、動きを変える。
 しばらく腰を密着させたまま、円を描くように内側を掻き回し。
 引き抜く寸前まで退いたかと思えば。
 溢れかけたものを押し込めるように、最奥へと突き上げる。
 じたばたと暴れる両腕を座面に縫い付けて。
 胸の先を咥え、舐め、吸いつきながら、容赦なく腰を打ちつけてくる。
 そうしてまた、しばらく腰を密着させて内側を掻き乱し、突き上げる。
 気が遠くなるほどの長い時間を掛けて、何度も、何度も。

「あ あっ! ん ぅっ、ぐ ん、ンっ」

 胸からも下腹部からも、絶え間ない刺激が押し寄せて。
 次第に痛みが薄れ、擦られることにも、突かれることにも慣れてしまう。
 心の底から怖いと、気持ち悪いと思っているのに、体の力が抜けていく。
 侵入を許した内側が、男を逃がすまいと勝手な収縮を始める。

「ぁあ、あっ、いや! そこ、当てないで! やだ! いや いやぁ……っいやああああぁ――っっ!!」

 開いた目にも無数の小さな光が明滅し始めた頃。
 抽送が急に速度を上げて激しくなる。
 内側から押し上げる圧迫感が大きくなり、ほどなく。
 体の奥の奥で、熱が拡がった。
 びくっと跳ねた顎に、少しだけ呼吸を荒くした男の唇が落ちる。

「……あ……、ぁ……」

 どうして。
 どうしていきなり、こんなことになったのか。
 ただ日記を読んでいただけなのに。
 いつもと変わらない一日だった筈なのに。

 何故、見も知らぬ男を請い願い、受け入れてしまったのか。
 本気で嫌だと、心も体も拒んでいた筈なのに、どうして。

 気怠く潤んだ目で茫然と見上げれば、男の顔が愉悦に歪む。
 開いたその口が、セレイラの首筋に当てられて。

「永遠にお休み。可愛いセレイラ」

 チク、と鋭い痛みを感じてすぐ、世界が闇に呑まれて……消えた。



 暖炉の火は消えているようだ。
 窓から覗き見た限りでは、屋内に人が居る様子はないが。
 ソファーの周りには、女性物の服が不自然に脱ぎ散らかされていた。
 テーブルの上に置かれているカップといい、黒い本といい。
 内側から掛けられた鍵も、異様な印象を受ける。

「お留守……というわけでは、なさそうですが」
「面倒くせぇ。気になるなら蹴破れば良いだ、ろっ!」

 ベゼドラが扉を乱暴に蹴って破壊する。
 蝶番(ちょうつがい)と鍵で固定されていた扉が、真ん中辺りで上下二枚に割れ。
 上部が蝶番ごと屋内に吹っ飛び、下部がひしゃげ
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