暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
書の守り人
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いた手が、硬直する背中に回って。
 怯える体をそっと、優しく抱きしめる。
 まるで大切なものを包み込むような腕と仕草に。
 何故か、セレイラの嫌悪感が薄くなった。

「は、離して……」

 声が震える。
 突然すぎて混乱した頭の奥が、急速に静かになっていく。
 抵抗しなければと考える反面、男を抱きしめたいと思う。
 これは何?
 自分に何が起きているのか。

 セレイラはわけが分からないまま、抵抗をやめてしまった。
 男を押し退けようとしていた両腕から力が抜け、頼りなく宙をさ迷う。

「セレイラ」

 額を離した男がセレイラの頬に軽く口付けて。
 名乗ってもいない名前を、水飴のようにとろりとした甘い声でささやく。
 何に反応したのか、体が勝手にビクリと跳ねた。

「良い子だ」

 脳に染み込むような吐息が耳から滑り込み、下腹部を疼かせる。
 思考が衝動に支配されていく。

 男が体を起こしてソファーの端に座り直した。
 逃げるなら今しかない。
 そう思って立ち上がった筈なのに。
 セレイラは荒らされたシャツとズボンを自ら脱いで、上の下着まで外し。
 男の肩に腕を絡めながら、唇を重ねてしまう。

「ん……っ はぁ……、んっ」

 セレイラの中で、何をしているのかと慌てる自分が小さくなる。
 男に触りたい触られたいと、口付けの間にショーツまで全部脱ぎ捨てた。
 他人になんて絶対見せたくないと思っていた素肌を。裸体を。
 見ず知らずの男に曝け出してしまった。

 だが、羞恥は無い。
 ただ、目の前に居るこの男に触れて欲しい。
 見えていた場所も隠していた場所も全部、余すところなく愛して欲しい。

「あっ んん……!」

 男の足に右膝を乗せ、その肩に上半身を預けると。
 男の右手が恥丘を撫で、繁みを掻き分け、陰部に滑り込んできた。
 初めてそこに感じる他人の指先を、もっと深くとセレイラの左手が導く。

「い、いあ! は っ んあ、ぁああっ」

 男の指先が割れ目をくすぐり、セレイラの爪の先が敏感な突起を弾く。
 二人の指先がバラバラに動いて下半身を刺激する。
 すぐに濡れ始めた奥への入り口に、男の人差し指がつぷりと侵入り。
 異物を知らない膜を撫でるようにゆるりと円を描いて、腰を揺らした。
 形良くふっくらした胸の先で、薄い桃色の尖りが硬く勃ち上がっていく。

「可愛いな、セレイラ」

 耳を蕩けさせる男の声で、胸の奥がきゅうっと締めつけられる。
 もっと名前を呼んで欲しい。もっともっと触って欲しい。

「んうっ、うく、んあっ、ぅあああああ…………!!」

 入り口を探る男の指が二本に増え、内を押し広げながら根元まで入った。
 刺激に
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