暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第127話 ゲームでも遊びでもない
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 ドラゴはそう強い言い切ると、ホロウ・キーボードを消した。その瞬間、このコンソールはまるでこの場に初めから無かったかの様に、消滅していった。

 そして、暫く移動をしての事。目指している場所は、《アルン》

 世界樹のある央都だ。
 
 そこに行くには、まずルグルー回廊を通らなければならないから。

「ドラゴ、それで一体何を見たわけ?」
「……知らない方が良い」
「馬鹿言わないでよ。あんなあんたを見せられて気にするなって言うの?」

 鬼気迫ると言う形容があれ程似合うものは無いだろう、と思える様な表情。……殺気に似た気配と表情を。たった数時間だけのパーティだったけど、この男があんな表情をするとは思わなかったんだ。

「その……今はパーティを組んでるんだし……」
「……何だ?」

 リタは、顔を思いっきり背けると。

「あたしは……な、仲間……なんだから! その、あんな、あんた見て、ほっとける……わけ、無いでしょ……っ!」

 多分、今までこんなセリフを言った事なんて、一度だって無いだろう。比較的仲が良い、サクヤやリーファ達にも……こんな恥ずかしいセリフ言った記憶は……あまりない、と思う。

「……え?」

 ドラゴは、その言葉を聞いて……再びフラッシュバックが起きた。





――……これは、何処かの森の中?





 その場所には、……自分の目の前には誰かが立っていた。そして……。

『わ、わたしは ■■ウキ君の事、何だか、ほっとけないのっ! すっごく心配なのっ!! だからここまで駆けつけてきたのっ!!』

 そう言っていた。大声で言って……そして、自分の事を心配してくれていたのだ。

(……これは……?)

 見えてきたのは、鮮やかな栗色の髪が見えた。そして、しばみ色の瞳。……それ以上の表情や姿は見えなかった。でも……以前よりも鮮明に見えてきたんだ。

 そして、……この人は自分にとって大切な人だと言う事を理解出来た。







 フラッシュバックは消滅し、変わりにリタが横にいる。

「ちょっと! き、聞いてんの!?」
「あ、ああ……」

 ドラゴは、はっ、としてリタの方を向いた。そして、表情を綻ばせ、微笑むと。

「……そうか、ありがとう。リタ」
「ふ、ふんっ……! と、とうぜんでしょっ!! そ、その な、なかまだったら……」

 ぷいっと背けつつも、ドラゴから見えない様にしながら笑う。


――……こう言うのも良いかもしれない。


 リタの中で芽生えた気持ちである。

 

 本当に不思議だった。

 本当についさっき、出会ったばかりの相手だ。でも、只者じゃなくて、やる事、なす事が全部
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