暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第125話 目的は世界樹
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オレは、判りません」
「えーっと……えっとね〜、翅をこうやって……って、あ」

 リーファは、既に視界の半ば以上が巨大な塔に占められている。
 急加速・急停止と言った飛行の仕方は思いっきり上位難易度だ。随意飛行よりもずっと難しい。激突する瞬間は、普通に考えたら、速度を上げていくよりもずっとずっと恐怖心がかかるだろうから。先ほどの速度についてきたと言っても……幾らキリトでも……。

「ゴメン、もう遅いや。幸運を祈るよ」
「……? 鋭角に向けた翅の角度戻して、減速させれば良いんじゃないか?」

 リーファは、にへへっと笑い ドラゴはさらっとそう答える。……そして、リーファは急減速に入った。ドラゴも、リーファ程ではないが、しっかりと速度を緩める事は出来ている。
……危機回避は出来るだろう。

 だが、キリトはそうはいかない。

 突然、『早くしないと、激突するよー』って言われても無理だった。

「そ、そんな簡単にいうなって!! お、おいぃ!!」

 塔の下へと降りていく2人を見て、キリトは唖然とした。

 だが、もう後悔しても遅く……。


「そ、そんな……バカなぁぁぁ―――――」


 キリトの絶叫がこの幻想的な光の都の空へと響き渡り、そして塔の外壁めがけて、突っ込んでいく。それは、キリトが初めて随意飛行をしようとした時のロケットスタートの再来だった。

「……これは、もう無理だな」

 ドラゴは、もうほんの数m先にある塔にキリトが突っ込んでいくのを見て……軽く苦笑いをしていた。あそこまで近づいて、そしてあの速度なら、あの後 幾ら、減速したとしても……無理だろう。

「あ……ははは。成仏してねー……キリト君」

 リーファは、心の中で合唱しながら呟いていた。その数秒後、期待通りの音。

 びたぁぁぁんっっ!!! と言うギャグとも取れる様な大音響が空気を震わせていた。
 ……ギャグっぽい展開だが、紙切れの様な感じになるわけでなく、そのまま、キリトはひゅるひゅるひゅる〜〜、っと地面に落ちていった。


「うっうっ、酷いよ2人とも……飛行恐怖症になるよ……」

 塔の根元に落ちていったキリトの下に行くと……、花壇に座り込んでいるキリトが恨みがましい顔で言っていた。

「……いや、壁が近づいてるんだ。速度を緩めないと激突するだろ? 現実(リアル)でも、車とか自転車とかだったら、追突する前に減速するだろうに……」
「む、無茶いうなっ!! あの土壇場で! ……それに、なんでお前はあっさりと出来るんだよ!」
「……? 別に、普通じゃないか?」
「ぐむむ……」

 キリトは何も言えなかった。
 最初に会った時に判ったけど、ドラゴも初心者なのは間違いなさそうだから。

――…
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