暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
ALO編
第125話 目的は世界樹
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の時のキリトの目を見た。


 強い決意の目。……何かを、大切な何かを守ろうとしている様な、助けたいと思っているかのような目。それは、自分もよく知ってる目だった。

 遠い昔に見た事があるから。……もう、何年前になるだろうか。……そう。

――10年程前の……。


 ……彼女の目と今のキリトの目はよく似ていたのだ。
 ここは、仮想世界だと言うのに……、何故かキリトの目は彼女に似ていた。

 だから……。

「……キリトにも色々と事情がある、それも簡単なものじゃない。と言う事だろう」

 ドラゴはキリトにそう聞いた。キリトは、その言葉を聞いてゆっくりと頷く。

「ああ……人を、探してるんだ」
「ど、どういうこと? ALOで人を?」
「……ドラゴの言うとおり。……簡単には説明は出来ない……」

 キリトは、2人の顔を交互に見て、そしてかすかに微笑んだ。その時の目は、違う。さっきまでのそれとは違い……、絶望が占めていた。


 その目も……知っている。

 何度も、見た事があるから。そう、鏡の前で……。



(……なんで?)


 ドラゴは、戸惑いを、動揺を隠せられない。ゲームの中での自分は、現実の自分とは完全に違う。云わば二重人格と言っていい程に。それに、こんなプレイヤーは恐らく珍しくもないだろうけど。
 でも、今は素の自分の表情が出ていると判っていた。

(……なんで? 今日あったばかりの人だぞ?キリトは……ッ)

 頭の中に再び映像が流れ出る。そこは、銀世界。
 雪が降り積もっている街並みのベンチ。誰だか判らない。漆黒のコートを身にまとっている男。
そして、再び景色が変わって……、声が聞こえてくる。

『何より……、お前を死なせたくない……からな』

 この声は……。


(こ……これは……、自分、の、ものだ……。オレは…誰に、対して、言ってる……?)


 あの映像の相手、だろうか?だが、後ろ姿しか見えなかった。


(――……死なせたくない。……一体、誰を?)


 ドラゴは、思考の中に身を投じていた。
 ……聞いていても、考えてみても、今回は不思議と痛みは感じなかった。現実世界での肉体に影響が出る様な事が起きれば、安全装置が働いて、強制ログアウト措置になる仕様になっているのがアミュスフィア。今も、特に問題ない以上、現実の肉体にも影響は無い筈。

 何度考えても、今はまだ判らない。

 ……判らなかった。


(……やっぱり、思い出すならALOでしか無い)

 
 ドラゴが、そう決めていた時。

「―――……じゃあ! あたしが連れて行ってあげる!!」
「え……?」

 ……話が決まったようだ。

「い
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