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ダンジョンにSAO転生者の鍛冶師を求めるのは間違っているだろうか
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俺はその主神にぺこりと頭を下げて言った。
「いいのよ。これで私の根回しも無駄にならなかったのだし」
「?」
「こっちの話よ」
ヘファイストス様の言葉に疑問符を頭に浮かべている俺の額をつんっと突いてから、主神は振り返って、扉に歩き出した。
「また来るわ。次会う時、ヒロキがどう変わっているか楽しみだわ」
そして、扉をくぐり抜ける前に、そう言い残して出ていった。
それを見送って俺はその扉のそばの壁にもたれ掛かる少女に向き直った。
少女は横を見ていて俺の方を見ようとしなかった。
けれど、横顔の目尻が未だに赤いのがわかる。
「えーっと」
その少女にどう話し掛けようかと思っていると、
「仲間をミナトって呼んでたんでしょ?」
少女が怒ったような口調で言った。
「そうだけど?」
「なら、私は赤城と呼びなさい」
そう、きっぱりと言うと、壁から離れて、くるっと俺に背を向けてしまった。
「わかった。それで、赤城、直接契約のことなんだけど、受け入れることにする。これから宜しく」
その背にあっさりと俺は言った。
もうすることは決まったんだ。
「………………本当にそれでいいの?」
赤城が風だけで掻き消えそうな小さな声で訊いてきた。
「どういう意味だよ?」
「だ、だから、したいことはもっと別にあるのじゃないのかって言ってるのよ」
「ないよ。今は。今はただお前みたいな奴が大事にしている仲間が気になるんだよ」
「なっ、お前みたいな奴ってなによっ!」
少女がばっと振り返るとムキーという感じに怒り出した。
「お前みたいって言ったら、お前みたいってことだよ、くくっ」
その姿に耐え切れず、俺は笑ってしまう。
「何笑っているのよ!」
その俺に更に少女が声を大きくして、俺も笑い声を大きくしていった。
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