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ダンジョンにSAO転生者の鍛冶師を求めるのは間違っているだろうか
独白
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後に聞こえたミナトの声は、生きて、だった。
生きなければならない。
だけど…………どうすればいいのかわからない。
「どうすれば……いいんだよ……………」
完全に赤色の抜けた視界を絶えず流れ出してくる涙で揺らして、膝がくだけたように崩れ落ちた。
脳裏に浮かび上がるのはデスゲームという地獄の中でも楽しかった眩しい日々。
そして、もう手の届かない遥か遠い綺麗な思い出。
「そんなの誰にだってわからないわよ」
唐突なこの場にいなかった者の声に俺はゆっくりと顔を上げた。
目に入るのはいつの間にか扉に背を預けて、腕を組んでいる少女。
「答えなんてないんだから」
その少女は続ける。
目尻が赤くなっている。
「そうね。答えられる者はもう皆ここにはいないんでしょう?」
少女の後に続いてヘファイストス様が俺の前で膝を折って言うと、にっこりと笑って俺の頭を撫でた。
俺は呆然としてされるがままだった。
「ヒロキの仲間はもういない、いないけれど、あなたの中には残っているはずよ。その仲間達はどう言っているかしら?あなたを怨んでいるかしら?」
その俺に語りかけてくる。
その声を追うようにして眼前に浮かび上がる四人の姿。
四人は並んで幸せそうに笑っている。
端の一人、プレイヤー名がカマボコだった少年、が手を振りながら、振り返り、背後の光の中へ消え、
端のもう一人、プレイヤー名がタケダだった成人男性、が突き出した拳の親指を上げてから振り返って、背後の光の中へ消え、
中心のうちの一人、プレイヤー名がダグラスだった筋骨隆々の男、が腕を組んで一際大きな笑い声を上げてから振り返り、背後の光の中へ消え、
最後の一人、プレイヤー名がミナトだった少女、が恥ずかしそうに控えめに手を振って、ゆっくりと振り返り、背後の光の中へ消えた。
それと同時に視界は
閃
(
ひらめ
)
き、再びヘファイストス様の顔を映し出す。
「あ…………あぁあ……うううぅ」
俺は首を垂らし、抑え切れなくなった嗚咽を漏らしながら、しばらく涙を床に落とした。
その間ずっとヘファイストス様は俺の頭を撫でた。
じっと俺とヘファイストス様を見る少女の視線に気付いて、実はすごく恥ずかしいことをされていると気付くのは、少しばかり後のことだ。
◆ ◆ ◆
「したいことが見つかりました」
俺は目の前に立つヘファイストス様に言った。
頭の中には黒い靄も球体もなくなって、その分体が軽くなったような感じがした。
「そう? なら、もう私の考えた対応策はいらないわね」
ヘファイストス様は深い笑みを浮かべて言った。
「はい。手間をかけさせました」
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