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ダンジョンにSAO転生者の鍛冶師を求めるのは間違っているだろうか
独白
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を覚えている。
 体は汗で(まみ)れて、服が肌に張り付いて不快感を禁じ得なかった。
 喉に残る熱い感覚が叫んでいたことを暗に物語っていた。
 何を叫んだかはわからない。
 だけれど、身近の者にその叫びを聞かれたくないと思った俺はホームを出て、それからは叫ぶことがなくなっても他の団員を避けるように生活しはじめたのだった。

 「ヘファイストス様…………」

 今なら何を叫んだかわかる。

 「あら、何かしら?」
 「俺は『ミナト、どけ』と叫んでいませんでしたか?」

 躊躇(ためら)うことなく言った。
 その時、黒い球体のひびが更に広がったのを感じた。

 「ええ、そう叫んでいたわ。私はそれを聞いて、あなたに壮絶な過去があると思って、訊かなかった、いや訊けなかったのよ」

 ヘファイストス様の告白に更にひびが広がり、ぼろっ、とかけらが落ちる。
 そのできた(くぼ)みから染み出すように黒い液体が流れ出して脳内に広がっていった。
 それにつれて、記憶の奥底に追いやり閉ざしていた記憶が、胡乱(うろん)であるものの浮かび上がってくる。

 「壮絶なんかではありませんよ…………ただ――」

 「はっ、どうせそんなことだろうと思ったわ」

 その胡乱な記憶の中を彷徨(さまよ)っているように脳裏に浮かんでは消える情景を見ながら答えようとしたその時、それを遮るように、ヘファイストス様の背後の開けっ放しの扉から入ってきた者が呆れたような声音で言った。

 「あら、椿じゃない」

 ヘファイストス様は振り返ると、その者に何でもないように言った。

 「椿……さん?」

 その者は昨夜会った椿さんだった。

 「またこのような所におってからに。やることが残っておろうが」

 その椿さんは例によって例の如く俺は存在していないかのようにこちらを一切見ずにヘファイストス様に責めるような口調で言う。

 「あら、これもやらないといけないことよ?」

 しかし、全くとして動じないヘファイストス様はにこりと笑みを浮かべて返す。

 「ふん、こんな者は構ってやるだけ付け上がる」

 確かな怒りがこもった目で俺を見ながら言った。

 「…………それは、どういう意味かしら?」

 その椿さんにヘファイストス様は声音に冷気を孕ませて訊く。
 椿さんとヘファイストス様の間を緊張が走った、そう俺は感じた。

 「平気な顔してへらへらしておる癖して、いつまでも目は自分がこの世の中で一番不幸だと言っているかのように死んでおる。平気な振りもまるで自分が無理して平気に振る舞うことで周りの気を引こうとしているように見えさえする。その所為で此奴(こいつ)を見る度に吐き気を催すわ。手前(てまえ)はこういう輩(や
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