第百十七話
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・・って、俺も権能の数的にそんなもんか。
「んじゃ、まずは楽な方から。ギリシア神話のラミアーから簒奪した権能で、子供の血を吸って強化するやつだ」
「ああ、それで血がない子供がいたわけか」
「そういうこった」
「それだけの権能?」
「身体強化、ってのはばかにならねえぞ。ただでさえカンピオーネのスペックはおかしなことになってるんだから」
そう言う意味合いでは、怪力の権能ってのも便利なもんだ。
「それで、最後の一つは何なのかな?」
「あー、あれなぁ・・・系統としては、護堂のと同じ感じだ」
「化身、か・・・それは面倒そうだね」
薫も理解してくれたようだ。
「それで、内容は?」
「ああ、そうだな。まず一つ目は・・・ああいいや、面倒だ。はいこれ」
と、俺は奈良に来るまでの暇つぶしにスマホのメモ帳に打っていたものを直接甘粕に渡した。考えてみたら、最初っからこうしとけばよかったな。
「こんなものがあるんなら最初から渡してくれればよかったじゃないか」
「すっかり忘れてたんだよ、茶粥食べるためだけに奈良まで連れてこられてな・・・」
呆れって、強いと思うんだ。
「それにしても、この名前のところは君たちが?」
「あー、それか。何か呼び方がないと分かりづらい、ってことでな」
「確かに、呼び方があった方が楽ではあるね。ふむ、『破滅齎す愚王の魔剣』に『水災招く豊穣婦』、『悪食の幼児愛好者』、『満月の怪物』か。どうせならこの名前で報告することにしよう」
「勝手にそっちでつけてくれてもいいんだぞ?ウチが家族内で勝手に決めたんだし」
「神殺しの魔王がお決めになられたものを変えるなど、我々にはできませんよ」
なんだそりゃ。
◆◇◆◇◆
「はぁ・・・ったく、なんでこうなったんだか」
と、茶粥を喰った後。俺は奈良にある旅館の中でも最高級のところを貸し切られそこに泊まることになった。今から帰っても時間がかかりすぎるし、という薫の配慮からである。
「あいつらは他のところに泊まってるし、あいつの悪ふざけもここまで来るといっそ笑えてくるな」
なお、薫には『君の姉や妹ほどじゃないにせよ媛巫女をつけてもいいよ?』と言われたが断った。正直変なのを付けられる方が面倒で仕方ない。トラウマの関係で部屋を閉め切れない以上なおさらである。寝込みを襲われたりして逆に殺しちゃうと思うところがないわけでもないし。
「さて、これ以上何かすることがあるわけでもねえしな・・・さっさと寝るか」
明日早いうちにでも出てさっさと家に帰りたいし、早く寝て新幹線なりなんなり使って
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