第百十七話
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に。彼らだって仕事なんだから」
「仕事にしたって、絵面的にあれだろ・・・なんか、即席工場で造った武器でも渡すから」
「あ、それならクナイか小刀をいただけませんか?最近巻き込まれるごたごたを考えると、丈夫なものがほしいのですが」
よくこのタイミングで口をはさめたな、こいつ。意外と将来有望なのかもしれない。そんなことを考えながら俺は権能を発動して注文の品を作り、渡してやる。
「それで、あの九人目の権能だよな・・・。なにから聞きたい?」
「できることなら、全部」
「うわダル・・・まあいいけど」
さて、何から話すべきか・・・
「・・・まず一つ目に、アイツが北欧神話に登場する王様から簒奪した権能だ」
「王様?」
「ああ。オーディンの血を引く“スウァフルラーメ王”から簒奪した権能。ティルヴィング持ってやがったよ、アイツは」
「それはまた・・・はた迷惑な権能だね」
言い方はあれだが、確かにその通りだ。願いがかなう魔剣なんて何が起こるか分かったもんじゃない。
「それで、神話の通りそれは三つめの願いと同時に破滅が訪れるものなのかい?」「それは分からん。三つ使われる前に殺したらしいし」
「そうか・・・まあ、それはよかったと判断しよう。面倒事はごめんだしね」
そう言う薫の隣で、甘粕がキーボードをたたいている。なるほど、そっちで記録をとるんだな。
「見た目についてはどうだったんだい?」
「伝承の通りだった」
「それは楽でいいね」
伝承どり、の一言で済むしな。
「それで、他の権能は何が?」
「そうだな、次に説明が楽なのは何があったか・・・ルサルカのでいいか」
「ルサルカ、というとスラヴ神話の妖精のことかな?」
「そう、それだ。かつての豊穣神的な側面も持つのを殺戮したっぽいけどな」
で、説明は。
「内容は超単純。水を操れる、水を作り出せる、権能の支配下にある水は植物を急成長させる効果がある」
「・・・確かに単純だね、それは。君の豊穣王と万水千海を組み合わせた感じかな?」
「大体そんなもんだ。豊穣王ほどの自由度はないみたいだけど」
あれはまあ、それくらいの権能だろう。かなりの被害を出すことは出来そうだけど、だからと言って強力な権能ってわけじゃない。組み合わせ次第で危険になる権能、ってところだろう。
「他には何かないのかい?」
「まだ二つある、な。一つはともかく、もう一つの説明がクソ面倒なんだけど・・・」
「そこをどうにかお願いできないかな?」
「ザックリでいいなら。正直あれを全部は面倒で仕方ないしな・・・」
化身系統の権能はその辺りが面倒だ。自分で把握するのも大変そう・
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