エピソード36 〜騒動の収束〜
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出てくる輩が出てきましてな……」
ざっと10人程、しかもブルーの中でも上位層の奴らだったらしい。
丸藤先輩かデュエルするかと皆思った時、遂に出てきたのが我が姉事、叢雲 翠だったとか。
「ええ、色々と凄いデュエルでしたよ。光プロのデュエルを初めて間近で観ましたが衝撃的でしたね。なんせ、1ターンで10人を瞬殺してしまったんですから。」
と、鮫島校長は興奮気味に語っていた。
デュエル内容は姉ちゃんの先行で、相手はほぼ何もせずに終わったらしい。
「苦渋の選択』を発動したのち、『神の居城ーヴァルハラ』で早速『アテナ』を呼び、『死者蘇生』から『堕天使スペルビア』。そして、『アテナ』の二体目を呼び、これで1200ダメージ。だが、それだけでは終わらず、『キャノン・ソルジャー』を召喚し、後は『アテナ』の効果でループだったとか。
反対派を圧倒的な力で黙らせるとともに、プロとしての畏怖を抱かせるあたり、さすがである。それが考えての行動ならば、だが。
「このデュエルのおかげで、反対派は完全に黙りました。ついでに、光プロのファンが大量に増えたようですよ」
やはり、凄いですねと褒めてくれるがなんだが素直に喜べない。
多分、いつもの通りにその場のノリと勢いで行動した結果であって、喜んでいいのか不明である。
「まぁ、色々ありましたが騒動は全て収束したわけです」
と、締めくくる。そして、最後に一言
「紫苑君、あなたはプロであると同時に学生でもあるのです。だから、君がアカデミアを離れる必要はありません!」
「……っ!」
「それに十代君たちも君の事を心配していましたよ」
まあ、あいつららしいな、と思う一方で、ようやく今の一言のおかげで心の靄が晴れ、吹っ切れた気がした。
「なんか、ありがとうございました」
「いえ、生徒のケアも教師の役目なので。それに礼を言うのはわたしの方です。紫苑君のおかげで色々と気づく事が出来ました。ありがとう」
入学してからのいざこざがようやく解決する。既に陽は沈み、空が暗がり始めていた。
「おぉ、そういえば紫苑君!今年の親善試合の事なのですが……」
そして、帰り際、さらりと重大発表をされる。
◆◇◆
「ジトーー……」
「う……」
あれから自分の部屋に戻ってから待っていたのは不機嫌を顕著にした姉ちゃんの無言攻めだった。
何か言ってくるならまだしも、何も言わず、ただただ半目で睨みつけてくるのだからタチが悪い。
逃げようにもアテナに退路を塞がれ、唯一味方と思っていたエアトスもこの場に居ない。……多分、逃げた。
勿論、観葉植物に擬態しているナチュル達では助けにもならない。
「……心配したんだからね」
「うん
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