暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第1章 光をもとめて
第4話 明日がなかった盗賊団
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無いだろう」
「一先ずお疲れだ。ランス。……このまま 先へ と言うのだがちょっと待たないか?」
「なんだと?」

 ユーリの言葉を訊いたランスは、少なからず憤怒したが、すぐに思い返す。
 この場にいたのはあの盗賊達だけじゃなく、少女達がいたと言う事を。

「うぇぇ、ばっちいな。流石のオレ様も、幾ら可愛い子ちゃんでも、他人のモノがまみれてる のは触りたくない」
「はぁ、まみれても、まみれてなくても、無茶させるなよ」

 ユーリは、苦言を言いつつも、少女達に近づいていった。

 少女達は、先ほどの惨劇を目の当たりにしている。あの屈強だった男達(少女たちから見たらだが)。抵抗しても無駄であり、寧ろ、抵抗(それ)を喜んでいるフシさえあった男達。そんな男たちをあっさりと倒した彼らを見て。
 あっさりと絶命させた彼らと、その血を見て、心底恐怖した。
 憔悴し切っていても、生存欲が脳の中に溢れ出てきたのだ。

「お、おね、がい…… い、いのちだけは……」
「な、なんでも、なんでもするっ……、それ、それも ちゃんと ちゃんとくわえるっ……」
「っ……っっ……」

 命を乞う、懇願する、涙を流す。これまでされてきた所作を考えたら、本当に一度、殺したくらいじゃ収まらない程の憤怒をユーリは覚えた。
 
 見ていられなくなったユーリは、道具袋の中に入れておいた予備のコートや水、そして色々な回復アイテムを渡す。

「……大丈夫だ。ここにはお前たちを苦しめる者は誰もいない」

 安心させる様に何度も何度もそう言う。もしも、ランスがこの場面を見ていたら、盛大に。それはもう盛大にモンクを言いながら割り込んでくるだろう。
 だが、今はランスは部屋の物色をしている為、見ていなかった。幾ら触りたくない程、他の男達の白濁液に塗れている女の子たちだが、このまま放置していく様な真似はしない。
 いつもならば、シィルにランスは任せているのだが、今はいないから、変わりにユーリを、と言う事だろう。

「ぁ……、ぁぁ……」

 喉も乾ききっていたのだろう、出された水を貪る様に飲み干した。他の2人も同じだった。
 だが、こんな場所では満足な処置も出来る筈も無い。

「一先ず、城下町に戻った方が良いだろう。……女の子絡みなんだから、ランスだって異論はないだろ?」
「当然だ。全ての可愛い女の子はオレ様のものだからな。こんな状態で死なれたら困ると言うものだ」

 完全に自分勝手な言葉なのだが、軽く笑った。ランスは確かに容赦がない所はあるし、強引に迫る事だってあるだろう。だけど、真の意味では、それなりには優しい面も持ち合わせている。だからこそ、シィルは嫌々言っているのにも関わらず ランスを慕っているのだとユーリは思っていた。

 3人の女
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