第1章 光をもとめて
第4話 明日がなかった盗賊団
[8/20]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ランスとユーリの2人は、5人相手に逆に迎え撃つ、姿勢ではなく、向かっていった。
「アイツ、馬鹿なのか?たった2人でオレ達5人を相手をする? 勝てると思ってんのか、馬鹿め! 死ねぇ!!」
2人が向かってくるが、背中合わせに戦ったり、連携をとったりする筈もなく、あっさりと2人は分かれる。盗賊たちは2:3に分かれると、ユーリとランスの逃げ場を阻むように囲んだ。
其々の得物、《斧》《槍》《剣》と言った武器を手にゆっくりとじわじわ追い詰める様に近づいてくる男。
「……」
後2、3歩で剣が届くか届かないかの距離で、ユーリは目を閉じていた。
その上、剣も抜く様子が無い。
「ぎゃはは! びびってんのかぁ! てめぇ、もう泣いて謝ってもゆるし……て……。……ぇ?」
「あ……あれ……?」
男達の中で比較的前の方にいた男の2人の身体が一瞬震えた。声も途中で消え入るように聞こえなくなってしまう。
「……あ?」
「なんだってんだ?」
「ッッ!!」
一番後ろにいた男だけが みる事が出来ていた。
あの鞘に収めたまま柄の部分を握っていた手が一瞬ブレたのが見えたのだ。まるでピン呆けを起こしたかのように。そして、いつの間にか鞘に入れていた筈の剣を抜いていた。
「……煉獄・居合」
ぼそりと呟いたその技名。
それを聞き取れたのは何人いるだろうか。ただ、解る事はある。……前にいた男2人は2つに分かれた事がだ。
1人は胸元あたりから上が、1人は腰あたりから。身長が違ったから そこから切られたようだ。いや、切ったと言うより、元々2つに分かれるモノだったと錯覚するかのように綺麗な切れ目。
そこからはまだ血すら流れていない。
「……精々地獄で自慢してろ。それは下衆にしかくれてやらないモノ、餞別にくれてやった真一文字の傷をな」
そう言い切った瞬間、鮮血が噴出す。まるで、鯨の潮吹きの様に。
「な! なにぃぃっ!」
「なにしやがったんだ!!てめぇ!!」
あっさりと2つに分けた内の1個が壊滅した。突然の惨劇。
「がはは! 馬鹿め! オレ様を前によそ見をするとは 大バカだな!」
そう、ユーリの方を見てしまったが故に、迫るランスの剣を見る事は出来なかった。
「ラーーンス! あたたたぁぁぁっく!!」
鬼畜の代名詞。自らの名を技に込めて放つ大一撃。傍から見れば 『痛くない?』と思えるかもしれないが、その威力を見れば判るだろう。自らの名を冠する技に相応しいとランスが思えるのも。
強烈な衝撃波は、残った男達の内の2人を吹き飛ばした。衝撃の中に存在する斬撃が男達を切り刻み、そして吹き飛ばす。そのまま、絶命していった。
「ふん。雑魚共め、オレ様に勝てる訳が
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ