第1章 光をもとめて
第4話 明日がなかった盗賊団
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て過ごしている時間、戦いの歴史の中でも始めての事だった。
(?? これは一体……)
陽気な声色から一気に真剣味を帯びた。こんなに考えるのは何百年ぶりだろうか。
『そうか……。人の身で アンタも知ったのか』
そんな時だった。
声が……聞こえたのだ。だが、視線を動かす事が出来ない。目の前にあの緑の傍若無人な男がいる姿がずっと見えてるだけだ。彼は固まったように動かないから、彼の声じゃない。
だから、今しがた壁を確認している彼の声……だろうか?と思うが確認が出来ない。
『………アンタはこの世界をどう思う?』
声は続く。
返事をしようとしたが、言葉が出ない。時間が止まっている感覚は、比喩じゃない。実際に止まっているのだとこの時はっきりと解った。
(………。どう思う、って)
『アンタ達は奴等の一角。≪プランナー≫と出会ったのだろう。この世界の真実を知ったのでは無いのか?』
(しん……じつ?)
『……そうか、たどり着いた君達に何も言ってないと言う事か。心底嫌悪するものだ』
(キミは一体何を言っている? 何の話をしてるんだ?)
『いや……忘れてくれ。アンタの波動から、奴等を感じたから。だが、違ったようだ。知る事でもない。……そしてその意味も無い』
まるで頭の中で会話をしているようだ。思っているだけで、伝わる。テレパシーの様に。
だが、その次の瞬間、目の前の空間が光り輝く。
『今は助ける事は出来ない。……すまないな』
「はっ!!」
再び世界は動き出した。
光に包まれたかと思えば、あたりに色が戻りだし、目の前の男、ランスの表情も動き出した。
「おい、とっとと行くぞ! 他にも娘さんがいるとなれば、是非とも救ってヤらなければならんからな。ここに戻るとすれば、この場所が無意味になった時のストレス発散のためだけだ」
がはは、とランスはイヤらしく笑いながらそう言う。
ブリティシュは、さっきのは白昼夢(洞窟内だから実際にはわかんないけど)だったのか?と思えてしまっていた。自分以外は、時間差を感じていないのだから。
「わかったわかった……、じゃあ、ブリティシュ。手段が見つかればその時に助けに来るからな。直ぐにとは言えないが待っててくれ」
「あ〜、ああ、うん。ありがとね。ダイジョウブダイジョウブ。気長に待ってるから」
何処か歯切れがないが、とりあえずはニコリと笑顔でそう言っていた。
そして、2人の姿が遠くなっていった。
その後姿を見つめるブリティシュ。
あの時の≪声≫は誰だったのだろうか?
気のせいなどではなく、間違いなく何かが起こった。とてつもなく大きな何かが。
口調から、緑色の
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