暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第1章 光をもとめて
第4話 明日がなかった盗賊団
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る相手に、隙だらけの相手に振り下ろす一撃。
 防ぐ事も、躱す事も全く出来ないライハルトは。

「ぎゃああああっ!!!」

 そのまま、吹き飛ばされ、物言わぬ骸へと姿を変えた。

「がはは、所詮は田舎盗賊団。オレ様の敵ではないわ! さぁぁて、メインディッシュを……」

 ランスが、はっとしながら見たのは、目の前にいる少女。さっきまでは、拘束されていて、色っぽく、準備完了状態だったのだが、今は違う。ちゃんと服も着てるし、足でしっかりと立っている。

「ななな!」
「おつかれ」

 そして、隣にいるのは。

「このガキが!! 貴様、オレ様の女を横取りしたなぁ!!」
「誰がガキだこら!! 何もしてないわ! それに、いい加減にそのテンション辞めろ!」

 
 ユーリである。
 先に少女の拘束を解いて、助けたら……多分、と言うか間違いなくこう言われるのは判っていたけれど、ランスの性格を更に考えたら、あの無防備な状態の少女をそのままにしておいたら、更に時間がかかってしまうだろう事は容易に予想がつく。

「あ、あの……」

 解放された事は良いんだけど、状況が掴めず、ただただ2人を見ていた。彼女の名前は《パルプテンクス》 あの酒場ふらんだーすのマスターの娘だ。

「むぐぐぐ……」
「むぐぐぐ、じゃない。さっさと行くぞ。まだ、大きな仕事があるだろ? 帰り木、ちゃんと持ってるか?」

 ユーリがそう言うと、ランスは渋々だが納得しだした。かなりまだイラついている様だが、別に彼女を襲ったわけじゃないし。帰ったら、と考えているのだろう。 

「遅れたな。オレはユーリだ。キミのオヤジさんに頼まれて助けに来た冒険者。アイツもそうだ」
「馬鹿者! このランス様をついでみたいに扱うな! 下僕が!」
「はぁ、だったらさっさと行くぞ。……もう、ここには用は無い」

 そう言うと、出口の方へと向かっていった。

「あ、あの…、ランス、さんですね。ありがとうございました。ランスさんのおかげ、と訊きました。本当に……ありがとうございました」

 怒っているランスを見て、少し怯えつつ礼を言う。

「む……、がはは。当然だ。下僕には、オレ様がちゃんと指示を出していたのだ。あの変態団長を始末する間に、キミを助けておけ、とな。がははは!」

 さっきとは明らかに違う発言だけど、パルプテンクスは先ほどの羞恥と余韻が残っているため、深く考える事は出来ない。

「ふむふむ……(さっきも見たが、良い身体ではないか。胸が得にgoodだ。直ぐにでも……だが、今は恩人と思われているからな。身体検査とでも称して、ちょっと触っちゃうか)」

 色々と画策している間に。

「ほんとにやっちゃったんだ。……ライハルトを」

 誰
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