第1章 光をもとめて
第4話 明日がなかった盗賊団
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ならこの盗賊団も大した事ないな」
「おい、ランス。どうやら奥の階段にも結界が張ってるみたいだぞ?」
「なんだとっ!!そう言うことは、さっさと言え馬鹿者。おい、解除方法を教えろ!」
ムララの死体をげしげしと、蹴りながら言うが、相手は死体であり、物言う筈も無く、ぬなしく時間が過ぎるだけだった。
「ええぇい!! 今すぐ生き返れ!生き返ってオレ様に解除方法を教えろ!」
「無茶言うな。化物じゃないんだから。……この辺りに気配は無いな。はぁ、さてどうする? オレなら先へと進めるが?」
「馬鹿者!そんなものは却下だ!美女はこのオレ様が格好良く救わねばならんのだ!さっきの道を戻って方法を探すぞ!」
「はいはい……。了解。ええぃ面倒なヤツだな。」
「文句言うな!」
「文句くらい言うわ!」
先程の分かれ道。今度は右側へと進んでいく。そこにも小部屋があり、棚やベッドが置いてある。その辺に物が散乱している。どうやら、詰め所の様な場所らしい。
「ここなら、何か手がかりがあるかもしれないな。探そう」
「おう! 任せた。下僕1号」
「……お前もやるんだよ。いい加減にしろ。ほら、やる気出せ。結構広いんだから」
2人は手分けして部屋を探る。
ユーリは部屋の右半分を、ランスは部屋の左半分を探した。
「むむ! !こいつは……」
「お? 見つかったのか?」
「女の下着だな!結構過激なものだ……素晴らしい。ここには女がいるのか」
「………はぁ」
ランスが食い入るように見ているのは女物の黒いパンティーだ。
嗅いでみたり、左右に伸ばしたりして遊んでいる。客観的に見ても、いや、どう見ても変態だ。……余計な事を言うと更に五月蝿くなりそうだから黙った。
そして、これだけ、真面目に探しても見つからない。だから、もう自分が行くと言おうとした時だ。
背後から突然声が響き渡る。
「おんや?盗賊以外のお客さんは珍しいね?」
突然の声。
まるで気配が無かった場所からの声に2人は瞬間的に振り返り、同時にランスは剣を構え、ユーリは剣の柄を握った。
まさか、明らかに雑魚の巣窟だと思っていた矢先にこれ程まで気配を無に出来る使い手がいるかと、手に汗を握っていた。
気配を消す技術は使い手の力量に比例する。それが格下であれば、見抜くのは分けないが、この声の主は違う。
「何者だ?」
「あっ、ゴメンゴメン。驚かせた? 危害なんか加えるつもり無いから。全然。と言うか動けないし」
ユーリは振り返った先にそう言うが、そこには誰もいない。
だが、声だけは延々と聞こえてくるのだ。
「ん? 何処にいると言うのだ?」
「ここだよ、ここーー」
話しかけても声はちゃんと返ってくるからこの場にいるのは間違いなさ
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