魔窟の森 2
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「専用の近道がある。案内するから付いて来い」
長の決定だからか、エルフ達は文句も言わず五人ずつに別れ、ベゼドラとクロスツェルそれぞれを取り囲んだ。
「木の上なら、コイツは無理だぞ」
親指でクロスツェルを指すベゼドラを、ネールは鼻で笑った。
「人間の脆弱さはよく知っている。故に我らは侵入者総てを迷わせて始末して来たのだ」
「始末?」
「侵入者は獣に肉を喰われるか干からびるかして、皆死んだ。神聖なるこの地の一部になれたのだ。光栄に思うが良いさ」
自然に迷い、自然に死に、自然に還る。
生物の最も基本的な有り様だが、それはエルフによって不自然に曲げられた人生達。
好奇心で身を滅ぼしたと言えばそれまでなのだが。
「その割に野良魂が無いな」
「長の元へ行けば判る」
本当は悪魔など入れたくないのだがな……と、目付きで愚痴るネール。
エルフ達に腕を引かれる二人は、その後ろから森の最奥へと連れ込まれて行った。
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