暁 〜小説投稿サイト〜
真・恋姫無双〜中華に響く熱き歌
第16話 馬中の赤兎、そして天使の声
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

并州の一都市、晋陽の街の西方にて約300人程の軍人がいた。
その半分以上が馬に乗っており、騎手はいずれも精鋭である。
そして馬の方も普通の馬ではなく、并州や涼州、幽州などの良馬を産出する地方で手に入れたものだ。
そんな彼らが集まる理由、それらはある目的のためである。
「さあて、今日こそは捕まえてやるわ!!」
張り切っているのは緑髪の眼鏡の少女、賈?である。
「さっさとあの暴れ馬を捕らえて、月に献上するわよ!」
と、瞳に、いや体中から炎のような闘気を放っているように見える賈?。
「この前は逃げられたけど、今日こそは、今日こそは!」
さて、賈?がここまで燃えている理由、それは、ある馬が原因である。
「たくっ、あの赤いの、さんざん悪さしてくれたわね。
だけどそれも今日でおしまいよ!
覚悟しなさい、赤いの、いや、『赤兎』!!」
賈?の言った赤兎とは、最近并州に出没している毛並みが赤い馬である。
この赤兎、并州の各地で悪さをしており、田畑を荒らしたりしている。
そのため、各地でこの赤兎に対する陳情が相次いでいる。
それに加え、この赤兎、体が並の馬よりも大きく、肩までの高さが大人の男よりも高い。
それだけではなく、並の馬と比べることが出来ないほどの足の速さを持っている。
以前、并州の軍がこの赤兎を捕まえようと軍を派遣した。その中には騎馬隊もおり、馬は涼州などの良馬の産まれの中でも優れたものを用意し、騎手も同じく涼州などの騎馬の扱いに長けたものを用意した。
だが、だがそれでもこの赤兎とは比べものにならない。
この騎馬隊の中でも精鋭揃いで振り切られたのだから。
そして、罠も張ったりしてみたのだが、見破られてしまう。
そのために頭も良い。
挙句のはてには罠を正面から力技で突破するほどだ。
これは頭の良さよりも身体能力が凄いが。
これほどの力や知恵を誇る赤兎を并州の人々は『馬中の赤兎』と称したほどだ。
そのために賈?は、この赤兎を捕まえ、涼州の治安の安定、そしてこの赤兎をある者に与えるつもりだからだ。
その者は呂布である。
賈?は、以前呂布と華雄が試合をするところを見ており、華雄が完膚なきまでに負けたところを見ている。
それを見た賈?は、なんとしても呂布を自陣営に取り込みたかった。
だから必ず捕らえ、赤兎を呂布に与え董卓陣営に引き込む、そう考えていた。
そのために、赤兎を捕らえるための罠を張り待ち構えていた。
「だけどもし、捕らえられなかったらその時は・・・」
そう呟く賈?の目は今だ現れない赤い馬を今か今かと前を見つめていた。



場所は変わって、晋陽の西の城門から賈?たちのいる西方に向かうバサラ。
賈?たちのいる場所は晋陽の街からそれほど離れておらず、4、5キロほどの距離にいることを街の人から聞
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ