第15話 滞在中、そして新たな出会い
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賈?が董卓の部屋を出た後、バサラは少しの間自分の歌を聴かずに退出した賈?に対して怒っていたが、
「へっ、次こそはお前におれのハートを伝えてやるぜ!!
賈?!!」
賈?に対し自分の歌を、思いをぶつけようと一層やる気になるのであった。
そして、バサラと呂布こと恋は、とんとんもとい董卓こと月に
「行き先が決まって無いのなら、しばらく滞在してはどうですか?」
との好意を向けられ、しばらく并州の晋陽の町に滞在することにしたバサラであった。
それから、10日ほど経ったある日、バサラは割り振られた部屋でなにやら作業をしているようである。
「流されて、迷って、構わない、と。この先はどうすっかな・・・」
なにやら紙に作詞と作曲をして書き込んでいるようである。
「う〜ん・・・そうだ!!
流されて、迷って、構わない、ただ立ち上がれええ!!
よし、これでいくか!」
どうやら気にいったらしく、紙に書き込んでいく。
「その後はどうすっかな・・・うーん」
再び歌詞と曲調の続きを考えつつ作業をする。
ただ、その顔は真剣そのものであり、そこには少しの妥協も許さないというのが伝わる。
そのバサラの姿を部屋の外から眺めている者がいる。
その者の名は華雄という。
この華雄という者は董卓の配下である将軍であり、猛将にして勇将であり、董卓軍随一の実力の持ち主でもある。
この華雄は、董卓がバサラたちをこの城に連れてきた時に主だった配下や城に仕えている侍女に紹介をしているので、知っている。
呂布こと恋に対しては一目見て自分の武との格の違いを感じ取った。
だからと言ってそれで負けを認めた訳では無く、すぐに恋に試合を申し込み、闘った。
が、恋との差は大きく、負けてしまう。
それでも恋のことを認めたらしく、恋も闘いの中から華雄を認め、2人はお互いの真名を預け合う中になった。
だが、バサラに対しては、当初は認めようとはしなかった。
それは華雄にとっては武に命を掛ける自分にとって、歌などという惰弱な物にうつつを抜かすバサラを軟弱な者としか思わなかったからである。
バサラは華雄と出会う際にも自分の歌を聴かそうとしたが、賈?のようにその場を離れてしまう。
そんな華雄にバサラは
「へっ、いつかおれの歌でお前のハートに響かせてやるぜ!!」
と、俄然やる気を出したのである。
その時の華雄は
(ハートというのは分からんが、歌などという軟弱なものでは私には響かんぞ。)
と心の中で呟きながらそのまま帰っていく。
だが、この10日間、バサラは華雄に対し歌い続ける。
それは華雄だけではなく、城の兵や文官、侍女にも及ぶ。
しかもそれだけには収まらず、晋陽の街にも出向き、街の人々にも歌を聴かせている。
そのため、今では晋陽中の人間がバサラの歌の虜である。
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