第15話 滞在中、そして新たな出会い
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そして華雄もバサラの歌を聴き、身体が、心がどこか熱くなるように感じていた。
さらにバサラが歌にどれだけ情熱があり、己を掛けているのかが分かった。
(歌など、軟弱なものばかりだと思っていたのだがな・・・
この男の歌を通してどれだけ自分の歌に情熱を掛けているか、そしてどれだけ己の歌を信じているかが伝わってくる。
不思議な奴だな、お前は・・・)
そんなことを思いながらバサラが歌を作っているところを部屋の外から眺めていた。
(武術だろうが歌だろうが関係ない。
情熱を掛け本気でやるならばそれに違いは無い。
私のように頭が硬く、武一辺倒の人間ですらそう思わされた)
(・・・私もうかうかとしていられんな。
我が武はこの国の民を守り、月様の御身を守り、そして私の誇りを示すためのもの。
ならば常に高みを目指すべきだ。)
(それに、恋に負けっぱなしだしな。)
そう思いながら、訓練をするべくその場を後にするのであった。
華雄が訓練をしに向かって1時間程経ち、バサラはいつものように歌を歌うために部屋を出た。
いつもは街で歌うのだが、まだ城から出ていない。
(今日はどこで歌うかな・・・)
そんなことをバサラが思っていると、
「あっ!こんにちは、バサラさん!」
「ん?」
バサラは声のした方向に振り向くと、そこには月がいた。
「バサラさんは、今日はどこかにお出かけですか?」
「ああ。だけどどこで歌うか考えててな、どうすっかな・・・」
とそんなことを話すと
「まだ決めてないなら街で歌ってみたらどうですか?
私も街に出かけようと思ってたので、一緒に来ませんか?」
と月に提案される。
バサラも特に決めていなかったので、
「そうかい。
なら、街に出てみるかな。」
そう言って街に出ることを決める。
街に出てからバサラと月は市街地の方へ歩いていた。
市街地に着くとバサラと月は食事処で、一先ず昼を先に済ませようとした。
そしてどこで食事にするかと考えていたが、近くの食事処にいた街の人の会話が聞こえてきた。
それは男の2人組でなにやら街の外での話をしているようだ。
「なあ、聞いたか?またあいつが暴れてるらしいぞ。」
「ああ、聞いた聞いた。まったく困っちまうぜ。」
「ああ、あいつは速いだけでなく頭もいいらしくて全然捕まえることも出来ないらしい。」
「たく、どうすりゃいいんだよそんなやつ。」
男たちの会話を聞いていたバサラはなんのことかと気になり、男たちに話しかける。
「なあ、今の話聞かせてもらいてえんだが、いいか?」
「ん?おお、歌の兄ちゃんか!
いやな、最近この并州で見かけるようになった馬がいてな。
そいつが人里や草原に現れては畑を荒らしたりしてな、だから捕まえようとしたんだが、そいつがあまりに
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