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IS 〈インフィニット・ストラトス〉 〜運命の先へ〜
第23話 「接触」
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放課後の特訓を終え、疲れた体を癒すために部屋で優雅にティータイムならぬコーヒータイムを過ごしていた時だった。この前買った携帯電話が着信音を鳴らす。初期設定から弄っていない無機質なコール音を止めるために電話に出る。耳に入ってきたのは聞き慣れた声。

「もしもし。兄様、今よろしいでしょうか?」

我が愛しの義妹、クロエである。まあ予想はしていた。現状、電話帳に登録されているのは束さん、クロエ、一夏の3人のみだし、何より俺が依頼した調査についての報告を聞くために首を長くして待っていたからだ。

「もちろん。首尾はどうだ?」
「束様のおかげで順調です。今回はとりあえず中間報告を。」

頼んでいたのはシャルルに関する情報収集。束さんの情報網を以てすれば容易いだろうと考えて委託したものだ。最初は渋っていた束さんだが、報酬のケーキと紅茶で釣れた。思ってたよりチョロくてちょっと心配になる。

「まず、シャルル・デュノアがフランス代表候補生であること、入学がフランス政府とデュノア社からの要請であることは間違いないようです。資料も確認できました。」
「そうか。まあ流石にそこまでは偽ってないようだな。」

仮に身分を偽っていたとしてもフランスに直接確認すればすぐに分かる。そこまでしなくてもIS学園の書類審査はかなり厳重だから、すり抜けるのは容易じゃないだろう。俺も千冬さんの協力があってこその入学だったからなぁ。・・・今更申し訳なくなってきた。

「また、デュノア社長には何人かの愛人がいることが分かっています。しかし、子の有無などまで調べるのは難しくて・・・。本妻との間に子供がないことは戸籍等の書類から確認できているのですが。」

クロエが口ごもる。まあ、愛人の時点で世間には公表できない存在だ。万が一子供が生まれていたとしても、認知などしないだろう。データベースに残らない以上、流石に手詰まりだ。跡取りがいないことが分かりさえすれば十分。

「ありがとう、クロエ。助かったよ。後はこちらで請け負う。」
「はい・・・。申し訳ありません。」

謝る必要なんかないのに、謙虚だなぁ。束さんも少しくらいクロエの性格分けてもらえばいいのに。・・・前言撤回、謙虚な束さんとか気持ち悪すぎるわ。

「謝るなって。本当に助かったんだから。今度帰省したときにお礼するよ。」

そう言って通話を切った。少々冷たい対応だが仕方がない。不器用な俺はああいう場合の対応方法を知らないのだ。束さんの方が上手く慰められるだろう。ここは任せた方がいい。

(それにしても困ったな。スケールがちと大きい話になってきた・・・。)

本妻の子でない以上、何かしらはあるだろう。しかも話を聞くに、今回の件にはデュノア社だけではなくフランス政府まで関わっている可能性がある。こ
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