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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
A's編
第百二話 春の穏やかな一日 中編
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「それでいい」

 そんなシグナムとフェイトのやり取りに乗っかろうとする者もいたが

「褒めるのを悪いとは言わないが、その辺でな。
 フェイトがのぼせてしまうぞ」

 士郎がそんなフォローをしつつ、フェイトに冷えた新しい飲み物を渡し、優しく頭を撫でる。

 言葉こそないが士郎の思いは伝わったのか、冷たい飲み物で火照りを冷まし、フェイトが嬉しそうに笑う。

 そんな二人どこか通じ合ったやり取りに逆に好奇心を刺激されている面々がいるのだが、気がつかない振りをして、また調理に戻っていく士郎。

「衛宮の言うとおりだな。
 しかし、お前はいい加減その言葉遣いをやめろと言うのに」

 士郎の言葉に頷きつつ、いい機会だと話を変えるシグナム。

 というのが闇の書事件が終わり、管理局の局員として共に働き始めてもフェイトの言葉遣いが固いのだ。
 はやてと守護騎士を除くとシグナムと一番交流が多いのはフェイトであり、闇の書事件の時からお互いを意識していた相手である。

 故にシグナムは丁寧語をやめろと機会があるごとに言っているのだ。

「そんな事言っても、年上の人には丁寧語というのが家の家庭教師の教えなんですよ」

 そんなフェイトの言葉にどこか納得しきれないシグナム。

「まあ、あれです。
 模擬戦の勝率が五割を超えるようになったら胸を張って対等に話せますかね。
 えへんと」
「それじゃあ、一生無理だろう」
「無理じゃないです。
 まだまだこれから身長も魔力も伸びますしね」
「身長が伸びたぐらいで強くはならんが、私も立ち止まってはいないからな。
 せいぜい走って追いついて来い」
「はい!
 なるべく早めに、追い抜くつもりで」

 珍しく強気のフェイトの言葉に一瞬、シグナムが目を丸くするが

「ふ、生意気な」

 すぐに嬉しそうに笑みを浮かべるのであった。

 そんな二人のやり取りをどこか嬉しそうな笑みを浮かべながら、フェイト達への追加の料理を皿に盛り付けていた士郎だが、なにやら視線を感じて横を向く。
 そこにはなにやら顔を赤くしたアリサとすずかが士郎を見つめていた。

「どうしたんだ?
 二人とも」

 そんなにじっと見られている理由が見つからず首を傾げる士郎。
 それと同時に意識を復活させるアリサとすずか

「な、なんでもないわよ」
「う、うん」

 焦ったように明後日の方向に視線を逸らすアリサと誤魔化すように笑うすずか。
 ますます首を傾げる士郎だが

「レティさんが一本空けちゃって追加のワインを取りに来たのよ」
「うん、とりあえず向こうにはないお酒みたいだから一通りもって行こうと思って」
「一本空けたって、大丈夫なのか?」

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