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ダンジョンにSAO転生者の鍛冶師を求めるのは間違っているだろうか
一時的パーティー結成
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上げる間も与えず、上下に切断した。
そのアミラージが倒れるのを見送ることなく、少女は駆け出すと、先ほどの投擲で得物を失っていた後方のアミラージをすかさず間合に捉え、袈裟斬りの一撃のもとに屠った。
この一瞬の間に殲滅。
「すごいな、お前」
その少女に純粋な称賛の言葉を送る。
「まあね。もう何年も死合っているモンスターだからってのもあるけど、ほとんどはあんたが打った刀のおかげよ」
その称賛の言葉を半分しか受け取らず、少女は刀についた血糊を払って言った。
そう言えば、それは俺が打った刀だったけか。
「そうか」
少女の感謝の言葉らしき台詞に素直に答えられず、おざなりな返事となる。
しかし、返事を欲していたわけではないようで、俺の返事を聞いている風もなく、アミラージの魔石を回収していた。
少し言葉に詰まった自分が馬鹿馬鹿しくなって、俺は少女から目を離そうとした。
その時。
視界の端でルームの奥にある通路の闇の中で何かが微かに動いたのを見た。
「ミナト!どけえっ!!」
そのシルエットを捉えた俺は反射的に叫んで、疾駆していた。
俺の叫びに、予想に反して何故かびくっと肩を跳ね上げて固まってしまった少女の向こう、通路の闇から予想通り石斧が回転しながら飛来していた。
「!」
それを知覚した瞬間、視界がぶれた。
いや、光景が一瞬何かと入れ代わったような気がした。
だけど、その光景が何なのか俺はわからなかった。
しかし、その疑問に付き合う時間はなかった。
疑問を切り捨てて、俺は大太刀を上段に構え、石斧の進路に身体を滑り込ませるが早いか、真っすぐ斬り下げた。
打撃と見紛う斬撃に石斧は粉々となる。
それを見て俺は何故か達成感からくる嬉しさとともに殺意に駆られた。
相反するような感情の葛藤に苛まれながら、通路の奥を見据えると、俺の殺気に当てられたアミラージが鳴き声を上げて逃げだした。
「待ちやがれっ!!!」
足を踏み出して、走り出そうとしたが、唐突に手首を掴まれて足を止めた。
振り返ると、怯えの色を湛えた目で見上げてくる少女がいた。
この時自分が初めて激情に駆られていたことに気付き、気付いたことで自分の中でいつの間にか燃え上がっていた炎が萎んでいくのを感じた。
「どうしたのよ?」
少女が似合わない震える声で訊いてきた。
「何でもない」
はずがないけれど、俺にはこう答えるしかなかった。
自分でも自分に何があったのかわからなかった。
この世界にきてから理性を圧倒するような燃えるような激情に駆られたことがなかった。
「何で避けなかった?」
それよりも俺は何かにせき立てられるよう
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